担当フレンズが『ゴキブリ』なのですがそれは。

あんかけ(あとち)

第1話 ゴキブリ

……『例の異変』からかなりの年月が経ったジャパリパーク。本来の賑やかさを取り戻し、大人気の動物園に!そんな話を両親から聞いた。


……あ、私は『ホシ』!今からジャパリパークに行って、飼育員になるんだ。飼育員の試験も上手くいったし、ガイドさんの『ミライさん』と仲良くなったし。

最っっっ高の気分だよ!

「ふふ、ワクワクしてますね?」

「あ、ガイドさん!はい!すっごく楽しみです!」

「もうすぐ着きますよ!」

「かばんさんじゃないですか!私、頑張ります!」

こうして船はジャパリパークに上陸した。


「まず担当のフレンズを決めてもらいたいんだけど……」

「サーバルキャットっていますか?」

「いるんだけど……かばんちゃんが担当していて。」

「はい。なのでサーバルキャットは無理かと……すみません!」

「そっかー!じゃあいいやー!」

まあ他にも担当出来るフレンズはいるし平気平気!


と思っていたのも今だけだった……


「アライグマさんは?」

「なんか……アライグマだから心配かも……」

「トキさんとかどうでしょう?」

「先程の歌で……」

「ツチノコさん!珍しいでしょう!?」

「想像してたツチノコと違ったので……すみません。」


「決まんないーーー!」

おかしい。いっぱいフレンズはいたのにほぼしっくりこない。

「大丈夫ですか?しばらく『飼育員専用宿泊施設』で休みましょう。」

「宿泊施設があるのですか……ならそこで休ませてもらいます……」

「担当フレンズを決めるのはゆっくりでいいからね。」

「はい……」


バフッ


「ベッドが気持ちい~。」

ってかここ最高だな!フカフカのベッドに、綺麗な部屋に、そして……


コソコソコソ


ゴキブリ。……ってゴキブリ!?

「ヤバイヤバイヤバイ!えーと武器武器……あっ。」

『ジャパリ新聞』があった。よーし……

「喰らええええええ!」


カッッッッッッ


力一杯叩きつけたのに逃げやがった。

「クソゥ!なら何度でも!」


カッッッカッッッカッッッ


すばしっこい。チョロチョロ動き回りやがって。クソゥ。

その時、ゴキブリが転んだ。


ジタバタジタバタ


「よし!今がチャンス!やあああ……」


ドーーーーーン!!!


「!?」

「サンドスターノ火山ガ噴火シマシタ!唐突ナ動物ノフレンズ化ニ注意シテ下サイ!繰リ返シマス……」

サンドスターの火山が噴火した。私もゴキブリも驚いている。


……サンドスターが部屋に来る!


暑いから窓を開けていたんだった。あ、サンドスターが……!


ピカーーーーー


……眩しい光に目を瞑っていた私は、眩しくなくなったのを確認し、目を開けた。

そこには信じられない光景が広がっていた。

美少女が目の前に仰向けに倒れていたのだ。

「……えーと、誰?ゴキブリはどこに……?」

……美少女には虫の触覚が生えている。羽もある。……信じたくないが。



「あなた……もしかしてゴキブリ?」






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