第8話 黒魔女さんの小説教室 石崎洋司・他=著
石崎洋司&藤田香&青い鳥文庫編集部
『黒魔女さんの小説教室・チョコといっしょに作家修行!』講談社、2009年
ISBN978-4-06-215903-6
(本書あらすじより)
伝説のウェブ連載『黒魔女さんの小説教室』
「作家になりたい!」という小中学生のために、青い鳥文庫のホームページ上で石崎洋司先生が連載していたのが、「黒魔女さんの小説教室」です。
(中略)小中学生はもちろん、大人の作家志望の方にも役に立ちます。さあ、あなたも「黒魔女さんが通る!!」のキャラをつかって、チョコちゃんといっしょに小説をかいてみましょう!
◇
カクヨムを始めて、そろそろ一年になるんです。(2017年7月8日に登録)
それまでも、十年以上前に賞金目当てで公募に出したことが何度かあるんですが、自費出版系の会社だったこともあって、投稿後に「本を作りませんか」の勧誘がうるさかったり、(そもそも賞金目当てだったから、こっちから金出す気はない)
親にもばれるし(恥ずかしい)で、それ以来、特に何も書いてなかったんですけど、いろいろあってカクヨムを知り、そこから創作活動に本格的に興味を持つようになりました。
いいですね、ネットですぐ投稿できたり、コメント交換したり。いい時代になったもんです。コンテストに参加するのも、印刷で紙とインクがもったいないだの、切手代だの、出してる所を見られたくないだのという、気づかいもいらないので。こそこそやりたい、けち臭い人間にはとっても手軽で楽しいです。
んで、創作講座本などをこの一年、多々読んできたわけです。二十冊は読んだ気がする。こういうのを読んで分かった気になるのが好きです。実践はまた別のお話。その中でも、一番「これはいい!」と思ったのが、今回の『黒魔女さんの小説教室』。
この本は子供の本コーナーにあったので、今まで気づかなかったんですけど、私が知りたいと思っていたことが丁寧に書いてあって、まさに「これだ!」という内容です。
読者(小中学生)が書いた文章が載っていたり、実際に書いている人の、あるあるな悩み相談にも答えていて、分かりやすく、楽しく、面白いです。
何より小中学生の応募作品のレベルの高さに、作家志望の大人が断筆したというエピソード通りの高さなので、「子供向けでしょ」という創作本ではないのですよ。
三人称で、主人公の気持ちを表すのには、(カッコ)を使うというやつ、私、この本で知りましたよ。最近書いた『コップの中の漣』で初めて使ってみてるんですが、あれは感覚でなんとなくのまま使ったんです。
もうすでに何冊も講座本読んでても、こういう実践的なのはこの本を読んで初めて知りましたよ。何読んできたんですかね、まったくぅ。
まとめとして、(本書124ページ)
〇本を読んで、自分の好きな文章のリズムをさがせ。
〇「○○と言いました。」は、書かなくていい。
〇「わたしは」はなるべく使わない。
〇会話の中で呼びかけるか、地の文でフォローして、会話の主をはっきりさせろ。
〇テレビドラマを観て、セリフのないシーンを書く練習をする。
〇凝った表現は、「ここぞ!」というときにとっておく。
〇テンポが悪いと思ったら、逆にシーンをしっかり書きこむ。
と、あります。他にもアイディアの見つけ方、構想の練り方などなども。例文が著者が小中学生向けの話を書いている人だということもあって、スピード感と読みやすさを重視したものになってるんです。
どちらかというと話し言葉の文章ですね。こういうのに抵抗がある人は「参考にならん」と思うかもしれないですけど、ぱっと読んでイメージが広がる文章という意味ではとても参考になります。というか、すっごい勉強になりますよ。
最近は、そこそこ上達した気でいたんですけど、これを読んで全然ダメだと気が引き締まりました。まぁ、自分比では確かにこの一年で成長してますよ、たぶん。サンテンとかダッシュとかっていう、記号も知らなかったくらいですからね。
普段読んでいるのが翻訳もので、「言った」や「私」がよく出てくるのに慣れているので、それを使わない書き方がイメージしにくいんですよね。でも、これを読んで、「ははぁ」となりました。ただ実際に書け、となると難しい。
つばさ文庫に応募しようとしていることもあって、読みやすく・スピード感がある書き方をなんとか理解したいという気持ちです。応募作は、あんまりもう時間がないんで、なんとなくの雰囲気で終わりそうですが、いつかは分かるようになりたいもんです。
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