第9話 ライトノベル新人賞の獲り方 榎本秋=著

榎本秋『ライトノベル新人賞の獲り方』総合科学出版、2017年

ISBN978-4-88181-856-5


(本書・裏表紙より)

「イラストでレーベルの特色、特徴、読者層などをつかむ」

「ポスターやPOP、オビなどの販促物をチェックする」

「友人に読んでもらい、どれくらいの時間で読めたかで、作品の出来がわかる」


「落選した作品を修正するのではなく、新しい作品にトライする」

「自分が好きなものを作品に入れる時には、説明しすぎだと思うくらいに説明を入れておく」

「自分の作品のキャッチを考えてみる」


……など、すぐにつかえるノウハウ満載!



新人賞攻略のための「戦略」と「戦術」を豊富にレクチャー!!

という本書。読みやすいですし、「ほほう」と参考になる箇所がたくさんありました。特に、ラノベならではだと思った点は、イラストになったときをイメージするということ。


たとえば、キャラクター。髪の色や服装など、メインキャラ同士で被っていないか、地味すぎないかという部分。


例として、


主人公の少年キャラが中性的な顔立ちで、少し長めの茶髪。白いシャツに黒いズボン、茶色のブーツという設定。ヒロインはショートボブの茶髪で白いブラウスに茶色のキュロットスカート、編み上げの黒色のロングブーツ。


この二人が並んでいるところを想像してみる。正直、「あまりパッとしない」という印象。


……と、いった感じだそうです。細かい解説もあり、要はパッと映えるイラストが描けるか、表紙に二人のキャラが並んでいるときに手を取りたくなるか、というのが重要なようです。


他にも挿絵が入る場合は、そこで使えるシーン(絵になるシーン)をイメージして書く。分かりやすいのはサービスショットなど、ですね。他にも印象的なシーン(笑わない子が笑った瞬間など)を意識して書くといいそうです。


プロットを400文字で書く練習やファンタジーでも世界観のリアルさを出すために、経済について勉強しておくといいなど、盛りだくさんの内容。


とても濃い内容で、一度読んだだけでは把握しきれないほどでした(記憶力がないせいもあるけど)。本気で受賞を狙っている方は、読んで損なしだと思います。



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