第6話 弟の戦争 ロバート・ウェストール=著

ロバート・ウェストール『弟の戦争』原田勝=訳、徳間書店、1995年 

ISBN4-19-860399-5


児童書文学賞の受賞や推薦をうけている作品。弟思いの十五歳の兄が、弟を襲った不思議な事件を語る、迫力のある物語(本書あらすじより)。


湾岸戦争が始まったころに起きた話で、不思議な能力(性格?)を持つ弟が、突然「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い始める。始めは眠っているときにだけ起こっていたが、次第に弟の意識は遠くへ行ってしまい、やがて精神病棟に入院することに……


全部で約170ぺージほどの書籍としては中編くらいのお話です。児童書なので読みやすい文章ですし、戦争や人種差別・偏見という重いテーマを扱っていながら、説教くさくない内容で、自然な形で戦争のリアルさが伝わってきます。


ウェストールは『かかし』を読んでから気に入り、それから翻訳されているものはほぼ読んだ気がします。子供が主人公で戦争を扱ったものが多いのですが、悲惨過ぎず、子供の純粋さと勇気が楽しめるので好きです。


たしか宮崎駿さんもウェストールのファンだったかと思います。漫画を描いていた気がしますね。ちょっとうろ覚えですけど。

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