私の小説はつまらない

寝転寝子

私は小説が書けなくなった

カクヨムに殺される(或いは私のプロローグ)

「カクヨム……か……」


 今まで私はずっと賞に応募するための小説を書いて、そして、見事に落選してきた。


 そんな私がカクヨムに登録したのはもちろん、カクヨムから賞にエントリーするため。ネット上に作品を公開してから応募するというスタイルには抵抗はあったけれど、その時の私にはカクヨムという選択をするしかなかったんだ。

 あの日の私は、今までとは全く違うアプローチをすることで気持ちを切り替えなければならないほどに、自分の文章を書けなくなってしまっていたから。



 でも、それが失敗だった。


 元々私は自ら「ボツ認定」を下さなきゃいけないような原稿を多数生み出してしまうようなタイプなのだけれど、カクヨムに来てそれが加速してしまったんだ。


 カクヨムに来てから、私の手の中で、私の生み出したキャラクター達が恐ろしい速さで死んでいった。


 そのたくさんの死、私の立場からいえば殺害は、「もう小説なんて書きたくない、小説なんて書きたくなくなればいいのに」と、生まれて初めて思ってしまったあの夜を呼んだ――――――。



 そう、あの夜から毎晩。

 小説を嫌いになりたいと願ったあの夜からずっと……私は私の小説のキャラクター達に殺されるようになったんだ。



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