第3話

(冗談じゃないや。)

モミはびっくりした。

(せっかくここに生まれたのに、食べられちゃうなんて、絶対やだよ。)

そこでモミは、だいぶ硬くなった葉の先で、近づいて来たクマの鼻の頭をチクン、と刺した。



「イテテテテテ!」

クマはびっくりして飛び退いた。

「こいつ、俺の鼻を刺しやがった!」

「ええっ!」

皆も驚いて後じさった。

「こわいねぇ。」

「近寄らない方がいいよ。」

「そうだよ。そのほうがいいよ。」

そう言って動物たちは帰っていってしまった。



(どうしよう、どうしよう。)

モミはひどく悲しくなった。

(僕は皆と仲良くしたいのに…)

モミは空を見上げた。

透き通るような青が、頭上いっぱいに広がっている。

(僕はどうして、こんな所まで来てしまったんだろう…)

モミはふぅっと、溜め息をついた。

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