4月24日 どんなときも、きみが君らしくあるために

 ここに、ひとつの焼きドーナツがある。

 雪車町地蔵だ。


 油で揚げない、ヘルシーという触れ込みの焼きドーナツ。

 意外としっとりしているし、味も悪くない。

 真ん中に穴だって開いているのだから、これはドーナツだろう。


 だが、フレンチクルーラーではない。


 私はフレンチクルーラーの熱心な教徒なので、フレンチクルーラー以外のドーナツは丙種ドーナツとして区別するほかない。

 銀貨十三枚で心中する相手は、フレンチクルーラーでいいのである。

 そこ、熱心党はシモンだろうとか、ツッコンではいけない。


 誰だって好きなものはあるだろうし、好物というのはそれこそ嗜好によるだろう。

 そうして、それはおおよその場合、自由でいいのである。

 社会というシステムの中で、法を犯さない限りは保証されるものであるのだ。


 だから、私はフレンチクルーラーを愛するし、あれは数字と同じ、神が作り出した福音であると信じて疑わない。

 そうだ、フレンチクルーラーをたたえよ。

 偉大なりしフレンチクルーラー、御身の前にはポン・デ・リングさえかすむ。

 焼きドーナツも偉大ではあるが、3の3倍にもう一つ3を足したぐらいフレンチクルーラーの威光は世の果てまでも続くのだ。


 ……宗教みたいなあれになったが、どんなときもきみが君らしくあることを忘れないでほしい。

 それはきっと、大切なことだから。


 以上!



(何度目だよフレンチクルーラーの話題!)

(好きなんだからいいでしょう!? おいしいは正義なんです! それでは、アデュー!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る