1月21日 雲は流れて
天が呼ぶ、地が呼ぶ、銀河が私を呼んでいる!
雪車町地蔵だ。
忙しいさなかにふと空を見上げると、やんわりと雲が浮かんでいる。
もこもこの羊のような雲。
綿菓子のような雲。
抱きしめたいような雲。
ほんの数時間前には、そこにはなかった雲。
雲は風に流されて、帆船のようにゆっくりと空を渡っていく。
時々ちぎれて。
小さくなって。
雲。
空を飛んでいく。
そうしていつの間にか時間が経っていて、慌てて自分の仕事に戻る。
流されているのは、自分も同じ。
削れていくのは自分もおんなじ。
でも、雲はふわふわだから。
見ているだけで、気が安らぐ。
ゆっくりやんわり、やろうと思える。
雲。
白い雲。
たまには見上げるのも、悪くないよね?
という、ポエットな気分で帰宅したが、家事に気を取られている間に心の余裕はなくなっていた。
ううむ、悠々自適な雲のような心を持つのは、存外難しそうだ。
(雲だって雷雲とか黒雲とかあるだろ)
(つまり、なんです?)
(荒れもすさみもするってことさ)
(……珍しくまともなことを言いますね。それでは、アデュー!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます