1月20日 冬の朝、少しはやく目が覚めて

 ボンジョルノ!

 雪車町地蔵だ。


 ここ数か月の疲れがどっと出たのだろう、昨日はずいぶん早く眠ってしまった。

 ぐったりと倒れ込むように布団へと沈み、そのまま夢のなかへと沈没し……

 気が付けば、淡い陽光が目を焼いた。

 目を開けてはいない。

 けれど、少しだけ眩しく、うっすらと血潮が透けて見える。


 布団の中でそのまままどろんでいると、ばさ、ばさ、と音がする。

 耳を澄ませる。

 羽撃たきだ。


 そっと布団から起き出して、縁に向かえば。

 前庭の木々の上で鳥たちが羽ばたき、囀っていた。


 ああ、佳き目覚めだと。

 うっとりと息を吐き、私は起床したのだった。


 そういうわけで、すこぶる良い寝覚めだった私は、今日一日フルパワー。

 ひさしぶりに万全の状態で家事に仕事にを終わらせ、創作と向き合い。

 ようやく、2週間近いスランプを脱したのだった。

 やっぱりね、気分って大事だよ。

 睡眠もね!


 風雅などトンと解さぬ一般市民の私だが、それでも今朝はすがすがしい気分だった。

 許されるなら、お酒をたしなんでいただろう。

 明日の朝が、読者諸氏にとって、そんな気持ちのいいものであるように、切に願うそりまちなのだった。



(なんだおまえ、鳥の羽ばたきに感動するような心が残ってたのか)

(ひとをなんだと思ってるんですか。感動しますよ、一時的に)

(ダメじゃないか)

(ダメじゃないもん! 鳥さんいたもん! それでは、アデュー!)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る