11月17日 太公望であれなくとも

 キャッチ&イート!

 雪車町地蔵だ。


 突然だが、読者諸氏は釣りを嗜むだろうか?

 私は船酔いするのだが、それでも釣りにときどき行く。

 別段技量がいいということはちっともなくて、おおよその場合釣果ゼロとかで帰ってくる。

 もちろん、底釣りならいくらでも釣れるのだが、ここで言っているのはスポーツとしてのフィッシングだ。


 ジギングしてみたり、タイラバ落としてみたり、潮に任せて流し釣りに、手釣りで一本大物を狙う。

 そうやって楽しんでいるとき、無心でいることは難しい。

 というのも、釣りというのは結構忙しいもので、常に考え行動しなくてはいけないからだ。

 釣れない針をたらして太公望、一日中待ちぼうけでモノを考える……というのは、海釣りではちょっとない。

 坊主になることはあっても、割と手や頭を動かしているものなのだ。


 じゃあ、何も得るところがないのかというと、そうでもない。

 釣りという行為に専念している間は、ほかにやることがない。

 つまり、頭の余分なスペースは思索に割くことができるのである。

 その結果、考え事に熱中しすぎて手元がおろそかになり、魚が釣れないのだ。

 うーむ、太公望でいるというのは、存外難しい。


 結局、自分で食べる分を趣味で釣っているようなものなので、あんまりプロじみた力はない。せいぜい魚の調理がうまくなる程度だ。

 それでも時折無性に釣りに出かけたくなるのは──


 まあ、たぶん、好きだってことなのだろう、そういうことが。

 太公望であれなくとも、そのまねごとはしたくなるんだな、これが。


 はい、漠然としたが、今日はこれまで。

 以上だ!



(気が付けば三枚におろせるようになるよな)

(皮剥ぐのとか殺しをいれるのとか、無駄に慣れてきますね。それでは、アデユー!)

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