5月4日 ひねもすのたり

 6番レジへどうぞ!

 雪車町地蔵だ。

 今日は話すことは日が長くなってきたという話だ。不夜城に住んでいる住人はもうブラバしてもいい。できればひねもすのたりと、のんびり読んでくれ。


 朝は肌寒いほどだが、昼になればうららかな陽光が降り注ぎ、日が落ちるのも随分と遅くなった。

 夕暮れはもう違う色だし、あんなに一緒だった友とは殺しあう定めなのだ。

 大丈夫、無敵のセーフティーシャッターが何とかしてくれる。


 こうも暖かだと、ついうとうとしてしまうが、お昼寝でもしようものならいたずらされるので読者諸氏も注意されたし。あれだ、妖精さんとか、きっといる。


 大事なことはこうだ、日の入りが遅くなれば、それだけ活発に活動できる時間が増える……ということである。

 幸い今はGWだし、釣りに出かけるのもいいだろう。

 植物を育ててみるのも、動物と戯れてもいい。

 もちろん読者諸氏は友人や恋人と出かけてキャッキャウフフしてもいいし、映画やアニメのDVDを借りてきてのんびり過ごしてもいい。読書なんて最高だろう。


 ただし、この時間というのは、有史以来──否、有史以前から、有限な代物なのだ。

 日のあるうちに薔薇を摘めとはホラティウスの有名な言葉だが、まさしくといったところだろう。

 今を楽しみ、この時間を大切にするのは、きっと幸せにつながる一歩なのだ。


 時を惜しめと、To the Virgins,乙女たちに告ぐto Make Much of Timeなんて、ロバート・ヘリックを引用するまでもなく、読者諸氏は賢明だと私は信じる。


 それはともかくやっぱり怠惰に生きたいものだ、できれば日がな一日縁側でゴロゴロ日光浴していたい。それこそ、ひねもすのたりと陽光の中、ゆっくりと、である。



(あれ? オチがなくない?)

(オチ、なくなくない?)

(なくなくなくない! やめさせてもらうわ)

(アデユー!)

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