5月5日 こどもの日はスタート地点

 オンユアマークス?

 雪車町地蔵だ。

 そろそろこの雑記にもフォーマットができてきた。

 私が言いたいのは、物事には何につけ始まりがあるということだ。


 古く日本には、七歳までは神のうち、という認識があった。

 これは厳しい時代において、七歳までの子どもはいつ死んでしまってもおかしくない、人間と呼ぶにはあまりに幽かで、世俗に属しているようには思えない、という意味だ。

 だから七歳になれば七五三などをやって盛大に祝ったのだが……

 今日はその七五三のうち、五のつくもの──つまり、こどもの日についてだ。


 こどもの日の別名が端午の節句であることは、周知の事実だろう。これはアラスカのトナカイも知っていて、それは毎年サンタに教わるからだ。

 サンタは存在しないなどと言う現実否定主義者もいるが、目をそらしてはいけない。

 端午の節句とは、物事の始まりを意味する。

 つまりこどもの日、初めて子どもたちは人生のスタート地点に立つのだ、オンユアマークス。


 親戚の子どもと遊ぶ体力がない、毎年こいのぼりを飾るのが面倒くさい、なぜ高価な鎧兜や、光る!鳴る!DXナンチャラカリバーを買わなければいけないのかと……そう悩む読者諸氏も多いだろう。

 だが、その悩みが正当だと認めたうえで、これだけは言っておく。

 彼らはまだ子ども──すなわち神のうちなのだ。

 神をもてなすのは、なにも恵みが欲しいからだけではない。

 荒ぶってほしくないからという側面も確かにあるのである。


  子どもたちが立派に地に足をつけられるよう、無病息災でいられるように、どうか年に一回ぐらいは、盛大に祝ってやってほしい。

 そう、こいのぼりのようにフライングして人生失格なんて、あまりにもあんまりだから。



(フライングってそういう意味じゃねーよ?)

(小さいことは気にしないでください、鯉カステラ食べますか?)

(急なご当地アピールやめろ)

(アデュー!)

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