さびしき宇宙より


 どうせいつか滅びる人類のくせに

 死などというちっぽけな物語の終わりを恐れて

 どうせいつか滅びる人類のくせに

 公転周期数十周ばかりのタイムリミットに追われて



 どうせいつか滅びるというのに、ああ

 人類は流れる時と物語の関係に気がついた

 ああ、憐れな生き物だ



 どうせいつか滅びる人類よ

 雄大なる存在論のうえでは

 時が永久に不滅であるならば

 物語もまた滅びることはない

 どうせいつか滅びる人類よ

 物語はいつも闇の中から始まるのだ



 どうせいつか滅びる人類よ

 私から見たおまえたちは

 無限の夜にぽっかり浮かぶ

 星の物語にみえる



 どうせいつか滅びる人類よ

 それが悠久の時に耐えうるこたえなのだと

 私は思う

 そうだろう、どうせいつか滅びる人類よ

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