第4話 シン・スー・リン
俺の名はシン・スー・リンッス。5年前に起きた、【
ニンゲンが無闇やたらに魔物の住む領域を侵したことが、そもそもの原因だと言う議員たちは数多く居たッス。しかし、まさに議会で、【
ん?
もちろん、国のいち地方を任せられた領主たちは、この
そりゃ、地方の領主たちのほとんどは、歴代の
それは何故かッスか? 第1近衛部隊の隊長に、レイ・ダッシュという男が就任したからッス。あいつはその口から奇怪な音を放ち、それを聞いたモノたちは、自ら死を選ぶッス。
あるモノは、頭から油を被って、自ら火をつけたり。またあるモノは、仲間同士でその腰に佩いた直剣で、互いの腹をえぐり合ったんッス。第1近衛部隊を相手にすることは、どこの領主の軍隊でも無理だったんッスよ。
えっ? なら、なんで自分たちはその第1近衛部隊と闘おうとしているのか? ッスか? そりゃ、おいらたちはしがない傭兵部隊ッスからね。ここの領主さまも、まともに
それなら、金で雇った傭兵部隊に時間を稼げるだけ稼いでもらって、他の第2から第6部隊の近衛部隊の戦力を削ろうって言う腹積もりなんッスよ。
「ったく、【
「まあまあ、そんなことは言ってくれるなッス。おいらが【
「女神ぶひー? あの高慢ちきな女のどこが女神なんだぶひい? 疫病神な気がしてならないんだぶひー」
自分の部下がマテリアル・レイのことを疫病神と称することに苦笑いをしてしまうシン・スー・リンであった。しかし、5年前、【
当時、彼女が自分の命を守ってくれた理由を問うた時に「ん……。ただの気まぐれ。シンは、ボクに親切だったから」である。なら、レーン隊長も救ってほしいと言いたいところだったが、彼女としては、守ったつもりではあったらしい。でも、その後、レイ・ダッシュに喧嘩を売った以上、どうにもならなかったのが、彼女の弁であった。
「ん……。シン隊長。3日後には、第1近衛部隊が、領内に侵入するみたいよ。ボクはレイ・ダッシュの声を無効化できても、普通のニンゲンの対処までは知らないわ」
シン・スー・リーンが部下を集めて、打ち合わせをしている陣幕内に、
「はははっ。3日後ッスか。おいらの予想より5日は早いッスね。隣領地のアッザム卿は、手も足も出ずに負けたんッスか?」
シンがそう、彼女に質問する。彼女は兜を被ったままで、首を一度、コクリと縦に振る。
「ん……。普通のニンゲンにレイ・ダッシュが率いる第1近衛部隊の進撃は止められるはずがないわ。コード:マテリアル・ゼロの申し子だもの、彼は。あの男を止められるモノは、この世には、ボクとあともうひとりだけよ」
「そのもうひとりの行方がわかりさえすれば、
「ん……。そうね。もしかしたら、既に
「ドクター・バイロンっすか。あの男に逃げられたのは痛手だったッスね。3人目も気になるッスけど、4つある
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます