一章 やっと自己紹介

 え? ちょっと待って。サブタイトルにまで気ぃ使ってもらってるの俺? 悲しっ!

 ……まぁいいや。ご厚意に甘えて自己紹介させてもらいましょう。


 俺は、立花 黒人(たちばな くろと)。神奈川県のそこそこ都会寄りと言える場所に住む高校一年の十六歳。誕生日は四月十日(誕生日早すぎるおかげで、学校では誰にも祝ってもらえず……)。血液型はB型。趣味はアニメ鑑賞。特技は……えっと、特技は……んまぁ秘密で☆

 ほら、能ある鷲も爪を隠すっていうしね! ※能ある鷹は爪を隠す。

 家族構成は、両親と俺。つまり一人っ子ってやつさ。北の国的なところには爺ちゃん、婆ちゃんもいるらしいが、母さん曰く、ファンキー過ぎて所在が掴めないらしい。

 あと、これは親父から聞いた話しで、あんまり言いたくないんだけど、実は俺には――。


 ――邪悪な力が秘められているらしい。

 

(注) ……お察しの通り彼はバカで中二病を患っています。


 あと、俺にはたくさんのあだ名がある。例えば、〝こくじん〟(俺の名前の黒人を別読みすれば出来上がり)とか、〝オタク〟(アニメ好きと名前の頭文字〝た〟と〝く〟をあわせれば、はい出来上がり)とか、全く持っていい迷惑なあだ名だと思う。


 とまぁ自己紹介はこれくらいにして、次はどういう経緯で、俺が異世界に来ちゃったかを話していこう。


 あれは、梅雨が到来した六月末……俺は学校帰りに新作アニメのブルーレイを購入するため、通称〝メイト〟へ向かい、エレベーターに乗ってメイトの階で降りたんだ。そうしたら――。

 スゴーイ光に包まれて思わず眼を瞑っちまったのがいけなかったのかもしれない。眼を開けたら、そこは…………。


 ――ジャングルだった。


「……メイトは?」


 ……あれ? なんで目の前に見覚えのあるジャングルが広がってるのかな……?

 しかも、聞いたことあるセリフも俺の口から出た気がするんだけど……。

 ちょっ!? もしかして、神様!? もう一回俺にジャングルLIFEをしろっていうの!?

 なんで死んでもないのに時が巻戻ってるのおおおおお!!

 ……ってこと……は…………。


 どおおおおおん!


 トラウマドラゴンと再開だあああああああっ!

「嫌ああああああああああああああああああっ!」


 そんなこんなでパニくるクロト(黒人って書くとカッコ悪いのでカタカナにするねby神様)……って、神様好き勝手やりすぎだろ!!

 親がつけてくれた大切な名前を! ってかてか、俺の名前考えたの神様だよね!?

 神様初回から飛ばしすぎじゃね?

 そんな独り言を呟くクロト「神様勝手に話しを進めるなああああああ!」は、

 目の前の巨大な生き物――龍に見つめられ、動くどころか、声も出せずにいた。

 

 ――あ、神様そういうスタンスでいくのね――。

 

 まあいいや。なんてったって、この展開も二回目だ。前のような恥ずかしい思いは絶対にしない! さて、この先の展開は、っと…………。

 

 ……あれ、どうなるんだっけ……?

 

 ……待って……この先の記憶も消されてるんですけどおおおおお!?

 

 ……と、まあこんな感じで俺は、異世界に来ちゃいました。

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