龍と邪眼とツッコミと!? 1 ~やってきた異世界がボケの宝庫とは……~

ブリしゃぶ

プロローグ

「……メイトは?」

 

 今思えば、異世界に来て最初の一言目があれじゃあ恰好も示しもつかねぇわなぁ。

 てか、どんだけアニメショップに行きたかったんだよ、俺は。

 しかし、異世界に来ておよそ一週間くらい経っただろうか? 俺もずいぶんこっちの世界に慣れたもんだ。いや、もしかしたら元々適応力は高いのかもしれない。だって俺は今――。


 びゅうおおおおおおお!

 

 ――ものすんごいスピードで空を飛んでる、龍の背中に平然と跨ってるんだからね。


 これが俺が転生しちまった異世界。龍が大半を占める(らしい)世界。

 

 ―【ディオリオン】―

 

 どうして俺がそんなファンタジー満載の世界に足を踏み入れちまったのか。真相は分からないが、経緯だけでも語るとするか。

 

 というわけで、まずは語り手である俺の紹介からしないとな。

 俺の名前は――。

「なあオタクよ~腹減ったから寄り道していいよな」

「おいいい! 人がせっかく名乗ろうとしてるのを空腹が理由で邪魔するな! それに、俺の名前はオタクじゃなくて、たち――」

「お、美味そうな龍発見。舌噛むから独り言いい加減やめろよなオタク~」

 

 ぎゅいいいいいいん!

 

 独り言じゃねぇし! てか、漢字変換すらさせてもらえないのおおおおおおおおおお……。

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