第68話 鬼達の攻防 『紅蓮』
残された二人はお互いを観察していた。
対峙するは、美しい顔立ちに紅く染まる髪は燃え盛る火の如く揺らめく
両者共に「鬼」と付くが、角があるのは
「そこの女、 お前とは死合ってみたかったのだ。
……これ程早くに叶うとは、僥倖だ!
「はて、何のことかな…… 戯言は良い、さっさと構えろ 」
「そう
存分に我を愉しませてくれぇ!! 」
抜き放った刀身には
目の前の
久しく出会わなかった好敵手。
自分よりも強い相手と刃を交える事への欲求が叶うかと……。
「…… あの太刀 」
刀身に揺らめく僅かな魔力を感じ取り、呟いた。
「
「ほう! 判るか。 だが惜しいな、こ
鬼の世に突如現われ、鬼の刀匠により鍛えられ名を変じ妖刀となった。
「……
「こ
「厄介な! 」
「ほう、 判るか!? 」
「切れ味の変わらぬ、 いや、喰らうほどに切れ味の増す刀など…… 断ち切るしかないな 」
「断てるのかな? その鈍らで 」
「ならば、試してみろ! その腕があるのならな 」
「さて、 女、ゆくぞ 」
鞘を払うと同時に、鞘口にあった左手は右手の柄に添えられ断ち切る威力を増す。
抜くと言う動作は一瞬のうちに終わり、一撃へと変わる。
「おおおぉ! これ程とは! 」
剣で受け流すことをぜず、
しかし、
煌く白刃に、体捌きでかわし続ける
「…… 断ち切りに気付いたか 」
「嗚呼! 鈍らと言ったが、前言は撤回しよう!
その刀は厄介だな、 打ち合うと断ち切られてしまう……か
だが、このままでは埒が明かないのも事実。
さぁて、勝負と逝こうか! 」
刃が打ち合ったかと思われた瞬間、
「なっ……にぃ!! 」
刃での打ち合いではなく、
そして、抵抗を感じることなく、刀身が切り飛ばされたという感覚を
◇ ◇ ◇ ◇
魔法陣は破壊した、しかし…… 眼下の鬼達は健在だった。
追撃する二人も無事だが、あの鬼をどう処理するか……
高密度のエネルギーを内包した槍を、時空へと隠し鬼達へと目掛け、急降下した!
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