第25話 三身、二人目の聖霊?

 季節は冬から春へ差し掛かる三月も半ば、兄妹ふたりの鍛錬も順調に進んでいた。


MトレックをLV3にアップデートしたことで、顕現が可能となった白銀の三身の一人、ヘルハウンドだが子犬や子狼ではなく、俺たちと同じ人の姿・・・だった事には驚いた。


 温泉で寝てしまった時に逢っているそうなのだが、寝ていたので当然知らない訳で……

初めて有った時に、

『今度は私で、お元気にして見せます! 』

と言われたのには


「何の事? 」

と疑問だった。


それを横で聞いていた沙弥華さやかが、真っ赤になって引っ叩いてきたのは何故?

俺の何が悪いのと言うの?


そうそう、ヘルハウンドは名前を沙弥華さやかにつけて貰ったのだが、またしても趣味全開だったよ……。


その時の話が……。


沙弥華さやか、一週間振りですね。 お願いしておりました名は決まりましたか? 』


「うん、少し悩んだのよね~。 本当は赤目あかめが良かったんだけど、女の子にはねぇ~ 」


『沙弥華殿は相変わらず良い趣味をしておられるの! 』

これ、白銀しろがねは念話だけでの参加ですよ。

MトレックがLV3の頃なので、ヘルハウンドが顕現すると白銀はお休みモードなのです。


「だけどね~っ 」


『私は赤目でも宜しいのですが? 何か問題でも 』


「女性らしさは無ければ駄目でしょ! 」


『はぁ…… 』


『確かにな、色気も必要やも知れぬしな 』


「で、紅花と書いて「べにばな・・・・」女性感出ているかなと……どう? 」


『良い名ですね。 今から紅花べにばなと名乗らせて頂きます 』


『沙弥華殿! 良いではないか。 次も期待しておるぞ 』


「沙弥華は本当に好きだね! 男性なら赤目あかめで決定だったろ 」


「当然でしょ! まだ良い名前有るしねぇ~ 」


「そうだな、本命が残っているもんな 」


『本命とは、もしや!? 』


「それはまた今度ね 」


『楽しみにしておるぞ 』


などと言うやり取りがあったのです。


 纏など魔力のコントロールや 体捌きは年明け前に合格を貰った。

次は魔法の鍛錬になるのだが、効率化を図るため兄妹ふたり同時に鍛錬を行なえるよう、年明け早々にMトレックのをLV4へバージョンアップした。


 バージョンアップする事で白銀しろがね紅花べにばなが同時に顕現できる。

そうする事で、多彩な攻撃に対する訓練をすると言う訳だ。

もう一人は最後のバージョンアップで引き合わせると言っていた。


次のナビのLVアップのタイミングになる。

その時までの約3ヶ月を鍛錬に費やした。


 装備についてなのだけど、兄妹ふたりとも基本はエアーガンを装備する事とした。

何故か? 手数が多くリーチも稼げる、しかも使うハンドガンにはアンダーレールが装備されている物を選んだ。

PDWやSMGについてもだ。


それは追加装備が可能だから。

アンダーレールへナイフやバヨネット、またはフラッシュライトやレーザーサイトを装備できる。


 実はレーザーサイトにはもう一つの意味もある。

現実世界ではサイティングの補助的装備だが、遊者補正が掛かるとどうなるかが疑問だった。

レーザーサイトはクラス1~2物は手に入るが、クラス2でも長時間の直視は危険なのだ。

直視できないレーザーは武器にもなる筈だ、補正が掛かり更にイメージ力で強化すれば……。


 武装も行い鍛錬を積む。魔法も忘れない。

いくつかの魔法も習得でした。

後は、実践だが……「実戦証明済コンバットプローブン」は暫く先にして欲しいと心の中で呟く。


    ◇    ◇    ◇    ◇


 服装についての疑問を白銀達に相談した。

だって、この世界の生活習慣や技術レベルが全く判っていないのだから、不安にもなる。

その辺の話題も無かったし……。 


 そもそも、初期から現在のマップまでは他の種族との接触が無いとの話で、実際にその通り他種族との接触は無かった。


「シロ君。 ワールドマップを開放すると、他の種族との接触が出来ると言っていたけど。

この世界の国とか、治安レベルとか諸々の状況は説明して貰えるのかな? 」


「それに、服装も心配なんだよ! 地球の一般的な服装とか浮かないのかな? 

指差されて笑われたりさ……。

そう言うのは地味にダメージが蓄積していくから、立ち直るのに時間が掛かるんだよ! 」

「(お兄ちゃん、まだ引きずってる…… )」


『そうだな、隠す必要も無いので当然説明はするが、少々時間が掛かるぞ。

文化レベルと服装の話は今するとして、他の事は後日改めてにさせてくれぬか? 』


「構わないけど、そんなに時間が掛かるのか? 」


『うむ、人族と魔族の事の他、勇者についても話す必要があるのでな。

詰め込むには少々重い話もある 』


「シロ君、重い話? 」


『そう、 この世界の抱えた問題にまで及ぶ話だからな。 

ワールドマップを開放する前には時間を貰おうと思っていたのだ。

兄妹ふたりの許容量もあるだろう、だから改めてだ 』


「判ったよ。 取り敢えずの問題は服装などと文化レベルだけでいいよ 」


『すまぬな。 では4月に入る前に時間を貰うとしよう 』


「そうだな、4月にはワールドマップを開放する予定だから来週だね 」


 そんな訳で、文化レベルや服装などの説明を夕食後に聞く事となった。


    ◇    ◇    ◇    ◇


装備リスト


樹脂製ポリマーフレームのオートマチックピストル G-17カスタム

樹脂製ポリマーフレームのPDW《パーソナルディフェンスウェポン》 H&K MP7A1

予備・VP-70M ストック装備のバーストモデル

ライフル・ ルガー10/22 マズルブレーキ・フルーテッドバレル、ウッドストックモデル


沙弥華

樹脂製ポリマーフレームのオートマチックピストル P99

樹脂製ポリマーフレームのTMP《タクティカルマシンピストル》 B&T MP9

※シュタイアーのTMPが権利売却でB&Tに渡りMP-9に改良。


兄妹ふたりとも時空庫持ちなので、ハンドガンとサブウェポンは時空庫で待機している。

なお、ホルスターも念のため用意はしてある。


その他はコンバットナイフとショートソードを時空庫で保管。

哲はライフルも保管している。


G-17カスタムはTM社製、P99はM社製、MP7A1とMP9はK社製です。

VP-70M T社製

10/22はT社製&JK社製 「後者はタクティカルモデル」

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