第4話 納車準備をしていたら
ビルダーさんとの契約後、メールや電話での追加確認や進捗報告を確認している。
キャンピングカーの場合、自動車販売で言うディーラーも有るのだが、自社で架装を行うビルダーと言う形態をとっている所もある。
また、特定のビルダー(この場合は製作メーカー)の既存モデルを販売する代理店も存在するし、海外や国内のキャンピングカーを販売する所もあったりするので、購入先を決めるのも結構大変だったりするのである。
調べていて意外だった事もある。
神奈川県で認可を受けた車両が静岡県では継続車検が受けられないケースだ。
何事にも『グレーゾーン』と言う便利なんだかよく分からない解釈が存在するそうだ。
実際、これでトラブルも良くあるのだそうなので、その辺も踏まえて契約をしている。
まず、契約する予定の車両が地元のメーカー系ディーラーで持ち込みを許されるか確認した。
前出の問題あると予想されるビルダーの車両はやはりアウトだった。
店舗敷地内への侵入も認めて貰えない。これは違法車両の検査をしていると確認され認証車検場の認可を取り消されるリスクがあるためらしく、「誰が見ているかわからないための措置」とのことで自衛策だそうだ。
で、購入予定の車両はオプション含め問題ないとの事で安心した。
装着予定のシートやルーフキャリア、リアラダーにタイヤの事も確認しておいた。
この辺も厳しいところでは納車後のメーカー点検も受け付けてもらえないらしい。
法改正があり車外突起物の規定変更や、バンコンの場合タイヤのロードインデックスによる規定など細かい所でも色々あるそうだ。
今回はバンベースの特殊車両、所謂 8ナンバーなのでタイヤのロードインデックスは貨物のそれよりも低くなり、乗用車用のタイヤでも車検等問題ない。
ただ、車両重量が三トンを越えるためバン用のロードインデックスに適合されるタイヤを選定していた。
ワゴンベースならその辺を考え無くても良かったのだが、選んだ車両はバンベースだから念のため。
運転席助手席のシートを交換する場合は、シートレールが認可された物であるかも重要になる。強度証明書が発行されるかも重要との事だった。
価格だけで選んで買い替えなんてケースもあるので注意された。
その他、キャンピングカーの場合、後席のシートを変更する場合が多い。
これも規定がある、強度証明は当然だが使われる表皮が難燃材かどうかも含まれる。
証明書が必要な場合もあり、その辺も含め全てクリアーした。
結構な時間を費やしたが、何でもそうだか悩んであれこれ選んでいる時が「一番幸せだ」と思うね。
最後に、一番悩んだ部分がナビゲーションだったりする。
自分の契約したビルダーさんでは国内ARROWPAINを推奨していた。リアのフリップダウンモニターとヘッドユニットと、別々のソースを楽しめるダブルルームが売りで国内シェアNo. 1。自分もそれに決めようとしていた。
運良く? と言うか、このタイミングでARROWPAINから新商品の発表があったのだ。
フリップダウンモニターは既存の物をお願いして装着するが、ヘッドユニットは新型が欲しい。
と言うのも、今回実装された機能と画面サイズが魅力的だったからだ。
11インチの大画面、ボイスコマンドによるカメラ切り替え。何より、良いのが新機能で、フリップダウンモニターを使うと後方視界が妨げられるのを、大画面を生かして解消した。
リアカメラとボイスコマンドで指示すると、11インチの画面が分割、8インチの地図画面に縮小され、空いた上部スペースにリアカメラの映像が写し出される。
キャンピングカーとは言え、テント泊も好きな自分、荷物で後方視界が悪くなる事も度々ありそうだ。
この機能なら後方の視界が確保できると思う。
ただ、問題は発売日だ……納車に間に合わない。
そんな事を思いながらメールフォルダーを確認していると、件の新型ナビの紹介メールが飛び込んで来た。
「なになに、テストモニター募集中? 」
メールを読み進めていくと新型だがアウトドア特化型のモデルらしい。
差出人もARROWPAINでは無かった。 しかも発売前の提供と怪しさ満載である。
メールをゴミ箱に移そうとしたのだが、気付いたら申し込みを完了していた?
「 あれ? 」
違和感を覚えるも、まっ良いかと深く考える事もなくPCを閉じたのだった。
納車日も間近に迫り焦っていた! と言うのも自動車保険の事をすっかり忘れていたからだ。
うっかりにも程がある!
え? なぜかって? 普通に車両入れ替えで良いだろう?
みんなそう思うよね。 自分もそう思ったのが間違いでした……。
今までは軽自動車(乗用自動車)でしたが今度はキャンピングカーです。
車検証の中にある「車体の形状」と「自動車の種別」が「キャンピング車」と「特殊」となる此処が問題。
例えば前の車は本間のM-Boxだったので「ステーションワゴン」「乗用」となる(軽でも関係ないよ)。
乗用車か特殊用途自動車か、その記載内容で車両番号、所謂ナンバープレートの内容が決まるわけだ。
ナンバープレートには、表示内容でその車を識別するための働きがあり、自動車の区分にあわせ、ナンバープレートの種類と分類番号などが表記されている。
M-Boxは軽自動車の乗用自動車なので分類番号が50~799になる。
キャンピングカーは特殊用途自動車になるので分類番号は80~899。
これが自動車保険の継続で問題になる。
ほとんどの自動車保険会社が普通自動車からキャンピング車への継続や切り替えを認めていないのだ。これは盲点だった。
一部、車両入れ替えを認めている会社もあったがこれが曲者だった。
保険等級がリセットされてしまうのだ!。
これには参った……。
色々と調べて一社だけキャンピングカー専門のプランを持った会社があり電話を掛ける。
すんなりと切り替えが出来る様で保険料もそれ程高額なわけでもなかった。
万が一の保険。両親の事もあり疎かにする事が出来ないんだよね。
怪しいと思っていたナビゲーションも無事に届いた。後は納車後に取り付けて完了だ。
やはり、こう言うのはワクワクするね。
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