第18回 ALL THE NEW LOVE

2022年8月1日(月)


ベータは家に戻る。


我道は黙々と食事をしている。


「ああ、帰ってたんだ」


「うん、センセも朝帰り?」


センセも朝帰りってことは自分もそうなのか?


「何食べてんの?」


「オリジン弁当」


「PERFECT HUMANの我道幸代にしては質素な食事だな」


我道はそれには答えず


「ねえ、センセ、あたしお見合いするかもしれない……」


「そうなの?なんとか財閥かなんかの御曹司?」


「そんなとこかな」


「ふーん」


ベータは正直都合がいいと思ってる。絵里江さんを想うと顔がにやけそうなので、マスクでもしようかと思ってる。


「センセももしうまくいったら結婚式呼ぶね!」


「ふむ、祝福しないわけにはいかんな」


「あーあ、24歳の女社長はつらいよ……やっと報われる」


ベータは6年過ごして一線を越えなかった我道幸代を多分大事に思ってたのかもしれない。これでキスすらせずに終わるんだから、変な関係だ。





アンドロメダの長、大拳者は意外にフランクな人物だった。


もちろん顔は隠していたが、アポロンとアテーナーに対する態度は丁重であった。


僅か10分の対面だったが、全銀河一の拳法の使い手であり、X軍……否アンドロメダを支配してる人物は至って温厚なイメージである。


アポロンとアテーナーは惑星メディアクを後にして光速で銀河系に向かう。


とりあえず月にいるアルテミスと連絡を取る。


「大拳者はそんなに温厚なんだ……」


「予想外に紳士的だった。もっと神経質かと思っていたが……」


「アポロンが驚くくらいだから相当なものだ」


「アンドロメダの長は至って落ち着いた人物ってことだ」





沈黙の貴公子欅坂蓮次郎と天津玲奈は立川駅の夕焼けを見つめていた。


蓮次郎は玲奈の美しい横顔を見て


世界がもっと平和ならな……そんなことを心でつぶやく。


2017(H29)4/14(金)・2019(R1)12/13(金)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る