第25回恋せよ乙女

7月30日火曜日朝ベーヤンから電話がある。


「ベータか?いよいよ俺にも子供が出来るぞ」


「そりゃおめでとうさん」


「どこで産もうか迷ってるけど、多分ロンドンになると思う」


「幸せ絶頂って感じだな」


「まあな」


「まあべーやんは経済力あるから、大丈夫じゃない?」


「しばらくヨーロッパにいる、また連絡するよ」


「ああ、日本に帰ってくるんだろ?」


「まだわからん、じゃあね」そう言ってベーヤンは電話を切った。


まさか美少女の園で毎日災難(でもないね)に遭ってるとは言えまいなんか外出る気にならん、またあいつらと会いそうで……。でもなんか食いに行こう松屋かスタ丼以外何も思いつかないだから思い切ってローヤルホストに入ってみた。


高いだけあって美味しい。




レンタルビデオ屋へ直行唐沢寿明主演の「高校教師」を探すが見つからない。まだDVD化してないのか?


仕方なく麻生久美子主演の「インスタント沼」とコッポラの「地獄の黙示録」をまた観返したかったので借りる。


ポテトチップ摘まみつつビール飲みながら「地獄の黙示録」のハリソン・フォードが出てくるシーンのあたりで、携帯が鳴る。


名前表示のない携帯番号、またかという感じ。


「もしもし」


「本城先生ですか?A組の真野ゆずきです」


「真野?ああどうしたの?」


真野ゆずきはポニーテールの岸森同様のアイドル顔の可愛い系美少女だ。


「実は今変な男に追い回されてて、助けてくれませんか?」


またかい!もうどこで電話番号知ったかなんてどうでもよくなってきた。


「今どこにいるんだ?」


「駅前のマック」


「わかった、すぐ行く」


わかるんだけどよく男に追い回されるパターン多いよなマックへ行くと真野はマスクをして端の席に座ってる。


「先生、本当に来てくれたんだ」


「どの男だ?」


「わからない、どこか行ったかも」


「とりあえず送るけど、まだ昼の2時だぞ、何かの勘違いじゃないのか?」


「わからない」怯えぶりがハンパじゃないので、多分本当なんだろう。


帰り道で真野は口を開いて「聞きましたよ先生、我道や野上や浅利や岸森に言い寄られてんだって?」「そんなに知れ渡ってるのか?」


「学年中の噂ですよ」


「俺は何もしてないぞ、あいつらが勝手に騒いでるだけだ」


「でもまんざらでもないんでしょ?」


「まあいずれ劣らぬ美少女ばっかだからな……でも副担任の立場上あいつらから逃げ続けるしかない」


「ふーん、先生も真面目なんだね」


「別に、普通だろ」


「あ、ここ私のうち。先生ありがとう」


「気を付けろよ」さて、うちに帰ろうなんか後ろから聞き覚えのある靴の音が……。


慌てて隠れるやはりそうだ、女ターミネーター浅利恵子だ走ってばっかいるんだな、おっかね大体なんで俺がガキンチョに怯えながら街を歩かなきゃならんのだあーくだらねえ、もうやめたおどおどすんのビッグカメラでガンプラでも買って作ろうビッグカメラへ行ってI PAD見てたら、3人のセーラー服に囲まれる。


2013(H25)9/22(日)・2018(H30)5/6(日)

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