第8回ラプソディ・イン・オレンジ

理科室の爆発の原因はなんと小型ダイナマイト。


悪質な生徒がいたずらしたんだろう。


理科室の中は真っ黒け。


死人が出なかっただけでも幸運だったというべきか?


職員室が戦場になるのは仕方がない。


しかしこの高校、みんな大人しそうな顔して、おっかね。


先生達は電話の応対に追われてる。


ふと職員室の入口を見ると学級委員の野上が手招きしてる。


「なんか用かい?」


「先生さ、私のことどう思う?」


「は?」


「女としてどう思うかってこと……」


「はあ、難しい質問だね」


野上は髪を三つ編みにしてるいかにも優等生っぽい生徒。


「ふーん……私先生のこと好きよ」


また始まった、学級委員ですらこうだもんな、とんでもない高校。


「うーん、コメントしずらいな」


「私あきらめないから」


そう言って野上は三つ編みを揺らして、背中を向けて去っていく。


確かに可愛い子なんだよな……。可愛ければ、全て許されるわけじゃないけど。


浅利の後が野上とはね。


面倒臭い。


ベーヤンがうらやましく思えてきた。


下校時刻になり、校門に向かうと、女生徒が三人腕を組んで寄り掛かってる。


やーな予感。


近付くとうちのクラスの我道と浦兼と添木だ、3人ともいわゆる美少女。


我道はクラスの女生徒のボス的存在。


どうやら自分を待ち伏せしてるらしい。


2013(H25)7/28(日)・2018(H30)5/3(木)

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