第2回美少女の園

俺とベーヤンは今日から高校教師。


新任教師挨拶の時、俺はともかくベーヤンはイケメンだから生徒のざわつきを感じた。


職員室へ向かう途中ベーヤンはこぼす。


「やけに美少女の多い学校だな」


「やっぱそこ見る?」


「普通そうだろ」


確かにベーヤンの言うとおり美少女が多かった気がする。


職員室に着くと頭の禿げた安藤あんどう教頭先生に席を用意してもらう。


坂裏さかうら先生は2年C組の副担任を、本城ほんじょう先生にはA組の副担任をよろしくお願いします」


とりあえず俺とベーヤンは机について、マイボトルをあおってホッと一息。


「でもベータの担任の汐留しおどめ先生って美人だな。幾つくらいなんだ?」


「知るかよ自分で聞けばいいじゃん」


「美女の巣窟だな、この学校、気に入った」


「まあベーヤンがやる気出してくれればいいよ」


やけにけたたましいチャイムが鳴る。


「さあ、戦闘開始だ!」


ベーヤンは息巻く。


「あんま暴走すんなよ」


「ベータこそ美少女に見とれんなよ」


「ベーヤンの担任って、数学の早乙女さおとめ先生だろ」


「うん、眼鏡かけてて地味そうに見えるけどイケてるよ、美人だよ、やる気湧くなあ」


ベーヤンは口ではそう言うが、イケメンとはいえキャラクターが微妙なんだよな。


別にナンパしに高校に来たわけじゃないので、どうでもいいが……。


途中で汐留先生と合流、確かにルックスからスタイルから非の打ちどころがない。


汐留先生は英語を教えてる。


軽く打ち合わせをし、ホームルームで生徒達に紹介される。


俺みたいのでも、女生徒がざわつくのを感じる。


ベーヤンは地理、俺は国語を教える。


教室全体を見渡すと大人しそうな子ばかり。


もっと学級崩壊っぽいのを想像していたが……。


なんか拍子抜けだねえ。


その日の授業はそつなく終わる。


ベーヤンとの帰り道、黄色い日差しを浴びながら、校庭を歩く。


「しかし生徒の顔見てるだけで飽きんよなあ」


ベーヤンは自分のショルダーバックの中からカードファイルを取り出し眺めてる。


「しかし高校教師なんてこんなもんか……」ベータは時計を見る。6時半。


「ベータは愛を教えられそうなの?」


「さあね、まだ手応えなし」


しかしこののち、ベータは予想もしない状況に巻き込まれることをまだ知らない。


2013(H25)6/29(土)・2018(H30)4/28(土)

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