Endless Summer All Night
@kwf
Endless Summer All Night. 第1部
第1回高校教師は楽しいぞ
「ロケットに乗ったんだよ」
「は?」
「やっぱな、お前は普通の男さ。絶対信用しないもんな」
「信用もクソも何億か、何兆の世界だろ」
ベーヤンは鼻に触れ得意げになる。
でもベーヤンがどのくらいの資産家なのかは分からない。
そんなわけでベーヤンと俺は今日から高校教師。
「何がそんなわけなんだ!なんで俺が先公やらなならんの?」
「君みたいに優秀な人間が必要なのよ……」
「確かに俺とお前は教員免許持ってるよ……しかしねえよりによって」
「ベーヤンは今インターネットオークションで食ってるんだろ?」
「それだけじゃない……と言いたいけど、まったくその通り」
ベーヤンはただおだてるだけじゃ反応しない。
「まあベーヤンなら、今の高校生と太刀打ちできるよ」
「そういう問題じゃないだろう?まったく暇つぶしでやるぞ、俺は!」
ベーヤンの本名は
俺は本城部太。
「べた」じゃないよベータと読む。
もっともそう読めた人一人もいないけど。
ベーヤンは俺をベータと呼ぶ。
今回なぜ高校教師になったかと言うと……。
なんか高校教師って魅惑的な響きじゃない?もちろんJKの可愛いさを堪能するのもいいけど。
ベーヤンはとにかくトレーディングカードフェチ。
ありとあらゆるカードを持ってる。
俺はと言うと特にないなあ……映画観て、音楽聴くくらい?あとは読書か、平凡だなあ。
まあアンニュイな日々を過ごしてるから、社会貢献しましょう。
「俺らの行く高校って共学なの?」
「そうだよ」
「ふーん」
そう言ってベーヤンはポケットをまさぐってる。
「何探してんの?」
「いやカルビーの長嶋カードどっか行っちゃってさあ」
四六時中カードの事を考えてる。
「そういやこないだヤフオクでなんか売ったとか言ってたよな」
「ああ、川上哲治カードね」
「いくらで売れたの?」
「50万くらいかなあ」
ベーヤンは普通に言ってるけど、さらりと50万と言える身分じゃないからね、俺は。
「それでいつからなんだよ、その高校教師の仕事」
「一週間後」
「何教えるんだよ?」
「何を教える?愛とか……」
「高校教師がティーンエイジャーに愛を教えんのか?」
「それしかないべ?」
「そうなの?知らんけど」
高校生に教える事ってやっぱ愛だと思うけどなあ?
みんなはどう思ってるんだろう?
2011(H25)5/31(金)・2018(H30)4/28(土)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます