ゲーム開始直前 p・w・カンパニー本社にて

……わかってる。だが少しだけ話させろ。貸せ。


諸君。


私は社長のモナリザだ。


これより私から直接、全員へ、命令を下す。


一つ、必ず前社長を奪還すること。


一つ、ゲームを最後まで演じ切ること。


一つ、これが最重要だ。必ず、誰一人のけ者にすることなく生きて戻ってくること。


以上だ。


そのためにいかなる手段、犠牲、損害、どれだけかかろうとかまわない。私が許可する。


だから必ず成功させよ。


これは社長の私からの直接の命令だ。これを撤回できるのは社長である私だけだ。


……だから、全ての罪は私にある。


言うまでもなくこれは悪だ。大罪だ。


だがその罪、全てを命じた私一人が背負おう。地獄にも私一人が堕ちよう。


だから頼む。どうかこの作戦を成功させて欲しい。


これはカンパニーの危機なのだ。


失敗すれば私は社長を辞めることになる。その程度しか、私には力がない。


私は若輩で、よそ者で、お世辞にも優秀なフレンズではない。


だがそれでも、群れを守る気持ちはあるつもりだ。


だからもう少しだけ、このゲームが終われば私の使用期間も終わり、本格的に事業に参入できる。そうなれば、ここがもっと真っ当な場所になると、保証する。誰も見捨てない、命を軽んじない、真っ当なカンパニーに、変えると約束する。


だから、私に見せてくれ。


ごっこ遊びじゃない、本物の狩りを。


…………時間だ。


貴重な時間を済まなかった。諸君の幸運を願う。



カウントダウンスタート!


60、59、58…………

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