幕間
プロローグ 異界電力発電所内にて
……最後にエンターを押して決定っと。よーしこれで良し。
なかなかいい感じでキャラ設定できたぞ。
ステータス自体は最弱、装備もほぼ裸、だけどスキルはすべて経験値上昇とレベル上限の突破に振ってある。こうなれば後はもう、息をしてるだけで最強になる。
これで後は異世界に行って、力を付けて、俺をいじめてたあいつらに復讐するんだ。
名前カタカナのくせに俺よりいい成績のあいつとか、母子家庭のくせに俺よりソシャゲ強いあいつとか、デブで禿のくせに俺の万引き見つけて説教垂れてきたあいつとか、みんな絶対許さない。
だからあっちに行ったら、目の数とか、耳の位置とか、外見が似てるやつを片っ端から殺してやるんだ。
そうして俺が幸せになることがやつらへの最大の復ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
▼
……まったく危なかった。
せっかく神の手違いで死ねたのに、危うく元の世界で蘇るところだった。
ったくダメ神め、普通はテンプレでまっすぐ異世界直行だってのに、手間取らせやがって、殴ったり踏みつけたりするこっちの身にもなってみろってんだ。しかもあいつ、本当の強さは心だ優しさだーわけわかんないこと並べてよ。何様だってんだよ。あのまま前歯抜かなきゃチートすらよこさなかったぜ。ったく。
だが終わった話だ。これで俺も晴れて異世界召喚、チートで夢想してハーレムにありつけるってもんだ。
向こうについたそうだな、個性を出すために力を暴走したことにして村か町か滅ぼそう。それで罪の意識に苦しむ系主人公とか、うん新しい。
それで暴走収めるには乙女の柔肌がーってやれば好きなタイミングでぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
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……僕は、ごく普通の高校生だ。
いつものように小学校に忍び込んで女子の体操着をしゃぶっていたら喉に詰まらせて気を失ったんだ。
そして目覚めたら全く知らない異世ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
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……俺は、戻るんだ。
不老不死とか異世界何とかとか、カンパニーとか、知ったこっちゃねぇ。
あいつらが待ってるんだ。あいつらを守ってやるんだ。
俺は、団ちうぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
▼
……自然に優しい永久機関、なんて歌ってるけど。やってることは単純なんですよ。
例えるなら、そう、将棋ですね。
あっちの世界からこっちの世界へ、ワープする。異世界転移とか異世界召喚とか言われるやつは毎秒のように繰り返されてます。
そこにこのマシーン、スネアーって言うんですが、こいつで介入して、塔着地点をここにずらすんです。
やって来た転移者、召喚者は鮮度が落ちないうちに骨ごとミキサーに、スープにしたものを養分にして微生物を育て、そこから発生するメタンガスを集めて発電、というのがこの『パラダイス・エンジン・システム』の全てです。
同じ異世界を生業としていたあなたなら知っていると思いますが、異世界召喚、転移はものすごくエネルギーを消費します。少なくとも人間一人から得られるメタンガスなんかじゃとてもじゃないけど割に合わない。
だけどこれは介入するだけ、転移に必要なエネルギーは向こうが払ってくれる。実に効率がいいでしょ?
でも限度がある。
いつの日にか転移者が消え去る日が来る。そうなる前にあなたを捕らえる必要があった。
不老不死、無限再生のあなたなら、ここで永久にミキサーされ続け、無限に再生しつつ養分が摂取できる。これでしばらく安泰……おっとこんな時間だ、行かないと。
実はこれから八番目の妻との結婚式なんだ。だからそこでひき肉になりながら出いいから祝福してください。
では、ゲート!
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