前のエピソード――M

オンスロート

・ハード

430cm　１900㎏

黒い光沢のある装甲に、基本は足が短く、上半身が巨大で、丸々とした頭部から腕が生えているような姿をしている。が、実際は流動しており、手足を含めた太さ長さは変化する。

胸の辺りから飛び出た頭部は白い円形にカメラアイが二つ付いただけ。

拳は大きく、五本揃ったマニュピレーターは、中指から手首まででも1mを超える。

・ウェポン

オーディナルオプション、流動する体の中に捕らえた人間を取り込み、頭だけ出した状態で閉じ込める。正しい使い方ではないため、練習しないと外に中身が絞り出てしまうが、うまくやれば人質にできる。

・スペシャル

オーバーオーズ、全身の流動する黒いドロドロはゲル状の中に金属繊維を混ぜたもので、一定の電流を流すと直線状に配列する性質がある。また電圧を上げると直列ではなく並列に並ぼうとする。

これらの性質を利用することで疑似的な筋肉として機能させている。

この機体の構造で言うと、先ず基本となる黒色のフレームがあって、それぞれ人体で言う健が張り付いている場所に電極を付け、その周りにこのドロドロをかぶせ、電気をつけることで張り付かせている。

電流、電圧の強弱は人間の筋肉の動かし方、力み方に合わせて調整してあり、文字通り手足を動かすように動かせる上、力むほどその部分にドロドロが集まって力が凝縮される。

ドロドロ自体が打撃として当たったところで威力は低いため、代わりにフレームをぶつける感じ。なので打撃は硬い。

また元が流動しているため、フレームに当たらない限り物理的な攻撃はあまり意味をなさない。ただし熱や化学変化には弱く、特に電気系統は致命的なダメージを受ける。

アウトオブオキシジェン、対象に抱き着き、フレームの電極を他の電極と重ねることで起こる必殺技。外から見ると黒い球体にしがみつくフレームの姿となり、その球体の中に相手を閉じ込め、筋肉として締め上げながら海として窒息させる。本来は機能上のバグであり、取り除くべき状態ではあるが、相手を物理的に拘束しつつ、圧殺か窒息かで殺せる。