第15話 ヴァニティーとイヴリース
大規模遠征に向けて各所で準備が成されているわけだが、その遠征についてきてくれるという聖騎士団員のヴァニティーとイヴリースと顔合わせすることになった。
ヴァニティーはともかくイヴリースは同い年の女だと聞いてどんな奴なのか気になる。
■■■
「はじめまして、私は聖騎士団に所属しているヴァニティーです。此度の遠征ではよろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
赤毛の長髪で切れ目のイケメン野郎でいけすかないので適当に流す。
それよりももう一人のイヴリースだ。
細身で胸が無いのはあれだが、クール系の美人な女だ。
「イヴリースです。よろしくお願いします」
「俺は谷川隼人だ、気軽にユウトと呼んでくれ! 君のことはなんて呼んだらいいのかな?」
「……好きに呼んでください」
「じゃあイヴちゃんって呼ぶね。イヴちゃんは可愛いし、まだ同い年なのに聖騎士団に所属してるなんて凄いね!」
「そうですね、勇者様にそう言って頂けると光栄です」
「神官に聞いたけど竜騎士なんだってね? 竜に乗って空を飛ぶのってどんな感じなの?」
「……そうですね、嫌なことを忘れて自由になれる感じですかね」
「へぇーそうなんだ、面白そうだから今度一緒に乗せてくれない?」
「それは難しいかと。適切な訓練と龍人様に竜との契約をしてもらってはじめて乗れるものなので」
「そうなんだ、それは残念だな」
「君は竜に興味があるのかい? それなら地竜なら乗ることが出来るから是非乗ってみるといいよ! 地竜というのはね……」
ヴァニティーが話に入ってくる、そしてその間にイヴリースは『用事があるので』ということで去っていってしまった。
余計なことをしやがってとヴァニティーを睨みながら話を受け流す。
せっかくイヴちゃんと仲良くなろうとしていたのにいい迷惑だ。
文句の一つでも言ってやりたいが、このあと共に戦う仲間なので流石に自重する。
ヴァニティーの話も終わって、神官と二人になった所でイヴリースについて聞いてみる。
すると彼女はこの遠征を終えた後に聖騎士団を辞めるそうだ。何でも遠征に付いていくことを条件に退団を認められたらしい。
彼女はトロイメア商会のご令嬢でもあるらしく、聖騎士団に入るに至った理由も政治的な判断もあったようなので複雑な事情があるみたいだ。
そんな話は置いといても、この世界に来て見た中でも一番可愛い娘なので何とか仲良くなりたい。
こうして一緒に戦う聖騎士団の人との顔合わせは終わったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます