ネームドとの戦い
第12話 新しいパーティー
アヴラムがパーティーから抜けたので新たに後任の聖騎士団の団員が加えられた。
名前はガーゼットというのだが、アヴラムと同じ金髪でアヴラムが持っていた聖剣を与えられていたので一見しただけでは見間違えそうになる。
実力も同じぐらいてあれば良いなとハヤトは思うのだが。
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「おい、なんで俺がこんなに傷つかないといけねぇんだ! タンクならもっと体張って俺を守れよ、アイナ!」
「ごめんなさい」
「しっかりしてくれ!」
どうもパーティーの立ち回りが上手くいかず、綻びが生まれてしまい討伐に手こずるようになってしまった。
魔物を倒せることは倒せるのだが、明らかに俺の負担が大きい。
ガーゼットの実力は間違いなく高いのだが確実性に欠けているから俺のところに回ってくる魔物の量が増え、そしてダメージもあまり与えられていないから手こずるんだ。
原因は一つしかないのだが、それを口に出せば神官の機嫌が悪くなりめんどくさいので口には出さないが、文句は言うぞ。
「おいどうなってるんだよ神官様よ! 俺はこのパーティーで楽出来るんじゃなかったのか? それにあのガーゼットって奴は俺より弱いんじゃないか!? 全然頼りにならねぇじゃねぇか!」
「申し訳ありません。確かにあの者はあなた様より弱いかも知れませんが、それは大聖剣を持った勇者様のお力が格段に上だからでございます」
「そうか、俺が強くなりすぎたからか。うん、まぁそれならいいんだけどな。だがこんな調子で魔王を倒せるのか?」
「確かにこのままでは……分かりました少し彼らを鍛えさせていただきますので暫くお時間を下さい」
ということで魔物討伐は一旦お休みして、俺は魔王討伐のための勉強をし、残りのパーティーメンバーは神官のもとで再訓練することになった。
■■■
勉強した内容によると魔王を討伐するためには、魔王の幹部となるネームドと呼ばれる名前持ちの魔物を最初に倒さなければいけないそうだ。
そして世界の各地に散らばっているネームドを倒すための戦略を練り続けたのだが今のパーティーメンバーだけではいささか不安だ。
というより俺の身が持たない。夜戦に体力を残しとかないといけないんだからしっかりしてくれよな。
そして数日後パーティーメンバーの再訓練を終えた神官は問題ないというので、とりあえずは確かめるために近くの魔物討伐に出ることにした。
「おお、動きが見違えたな!」
「ええ、訓練の甲斐がありましたな」
俺の動きに合わせてのフォローがスムーズになったし俺の負担も随分と軽減されたな。
■■■
自分以外のパーティーメンバーが体を張り、ボロボロに傷付いていてもユウトは気付かない。
こうしてかろうじてパーティーとしての形を成し、各地で実績を積んでいった。
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