第5話 最後の仲間は最強の剣士!?


 食事を終えて、再び王様の前に呼ばれた。


 どうやら、あと一人の遅れていた仲間の準備が出来たみたいだ。


 話に聞くと、そいつはやたらめったら凄い武勇伝があるらしい。

 まぁどんなことをやってきたとかはどうでもいいが、どうやら年が同じぐらいの奴だということは中学生ぐらいなのに既に最強扱いだろ?


 天才ってやつか?


 生意気そうなやつだったら、めんどくせぇが、これは最初が肝心だな。


■■■


 部屋に入ると王の前で膝をついている奴がいた。

 おそらく、奴が残りの一人だろう。


 近くまで行くと『アヴラムです。以後よろしくおねがいします』と実績に反して腰が低くく、意外にも好青年で、爽やかなやつだった。


 メンチをきりながら近づいたのがハズいじゃねぇか。


 でも、パーティーの他のメンバーは年が離れていることもあって、まだ距離がある感じがするが、アヴラムとは直ぐに打ち解ける事ができた。


■■■


 ナめられないように、俺も武勇伝を話したら時のことだ。


「俺もダチが他校の奴らにボコられた時に、一人で復讐に行ったもんだ」


「それは凄いですね。タコウというのはわかりませんが、敵の本陣に仲間の為に一人で乗り込むなんてなかなか出来ませんよ!」


「そうだろ。あの時は流石の俺もヤバかったな。あいつらサバイバルナイフとか持ってやがって、流石に死ぬかと思ったぜ」


「隠し武器とは、そちらの世界の敵も侮れませんね……。それでも、仲間を助けられたあなたは本当に勇者なのですね!」


「そうだろ。その時から俺は勇者だったのかもな……って何かハズいなこれ。もうやめよう」


「いえ勇者様の武勇を聞くことができて、良かったです。これから宜しくお願いします」


「おう、よろしくな! あと勇者様はやめてくれ、悠斗でいい」


「わかった。ならユウト、俺のこともアヴラムと呼んでくれ。」


「ああアヴラム、これから頑張っていこうぜ!」


 何事もなくお互いを認め会う形で仲良くなることができた。


■■■


 これで俺の仲間は全員揃ったことになるが、中々にバランスのとれたいいメンツだと思う。


 あとは可愛い娘が仲間にいれば完璧だな。


 でも、勇者ってあれだろ?

 世間から羨望の眼差しを受ける職業で、更に国王によって最大限の地位を保証するお達しもある。


 これから行く先々でハーレム展開も十分あり得るし、仲間内に変な爆弾を抱えないですむからいなければいないでいいのか。


 浮気を容認してくれる美女とか、高望みし過ぎだしな。


 はっはっは、夢がどんどん広がっていくな!


 ほんと、これからが楽しみだぜ!

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