第3話 王との謁見する。


 着替えを終えた俺は、王のいるところに連れていかれる。


 礼儀なんてしらないけど、俺は勇者で国賓だから別に問題ないだろう。


 部屋に入ると皆が頭をこちらに下げてくる。

 凄いな勇者という立場は。


 ここにいるのは、この国を動かしている奴等だろうに、これだけ敬ってくるということは、そいつらより立場が上ということだ。


 うん、悪くない。


 そしてあれが国王か。


 一番高いところにいるし、格好が派手だな。


 俺もそういうのも嫌いじゃないがな。


「よく来てくれた勇者よ。我がこの国の王[アフリマ]である」


「俺は谷川悠斗だ!」


 舐められない為に最初は上からいかないとな、初めから下からいくと舐められる。


 誰か1人ぐらいから『無礼だ! 』とか言われるかと思ったがそれもない所をみると、やっぱりこの国の勇者の扱いはかなり良いみたいだな。


「そうかそうか。ユウト殿と言うのだな。聞いておるとは思うが、お主には勇者として魔王を倒して貰うために頑張って貰わねばならん」


「ああ、聞いている。それで見返りは何をくれるんだ? そっちが一方的に呼び出して、タダで命を掛けろとは言わないよな?」


「もちろんだとも。勇者にはこの国での最高のもてなしを約束しよう。そして魔王を討伐した暁は、ワシに出来ることならなんでも叶えて見せようぞ」


 ほう、それは凄いな。


 つまりあれだろ、この国にいる間は魔王を倒していなくても勇者であるかぎり何をやっても許される的なやつだ。


 それでも俺一人で戦えって言われたら困るな。


 流石に人間では無くて動物というか、魔物となんて戦ったことなんてないし勝てるかわからん。


「で、俺はまだこの世界の事を余り知らないんだが強さはどうやって知るんだ? そして俺の今の強さはぶっちゃけどうなんだ?」


 流石にこういう事務的な話は王自らではなくて、神官とやらが話してくれる。


■■■


「つまり俺はまだぜんぜん弱いってことか? なら鍛えろって言うんだろうが、俺は泥臭い事は嫌いだぜ?」


「そうでございますか。ですが問題ありません。この国の最高の力を持った仲間達が勇者様をサポート致しますので、ごゆるりとされるだけで問題ないのです」


 ほう、それは素晴らしい。


 あれか、パーティーに一緒に入れば自分にも経験値が入るから最強のメンバーで安全マージンをとりながら、サクサクとレベルを上げれるということだな。


 ということはただ遊んでいるだけで強くなって、何をしても許されるという状況なのか……


 スッゲー、超最高じゃねぇか!


 これはこれからが楽しみだぜ。


 俺の無双伝説が始まるってな!

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