第3話 くまさんが

泣いている女の子に少しずつ

くまさんが近づいてきます


そのとき、木陰から小さな子猫が出てきました


にゃあ


小さく鳴くと、女の子を助けるかのように

女の子の前に立ちふさがりました


女の子は子猫に言います


だめだよ!あなたまでひどい目にあっちゃうよ!


女の子はひどい目にあってしまうだろうと本能的に悟っていたのです


でも、子猫は動きません


にゃあ


また短く鳴きました


まるで、早く行ってといわんばかりです


女の子はぎゅっと目をつむり

走って逃げました


自分の手からお母さんからもらった白い貝殻のイヤリングが

落ちてしまっていたことにも気づかずに

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