誰もが一度は耳にしたことがあるだろう「通りゃんせ」にまつわる話。
キャッチコピーと小説紹介の欄に記されているように、本作はクトゥル物であることから、クトゥルフ神話に通暁した方であるなら
ああ、なるほど! と得心のいく珠玉である。
(当て字の妙に唸らされること必至)
とはいえクトゥルフ、何それ?
と敬遠するのはもったいない。
わらべ歌「通りゃんせ」の歌詞について民俗学見地に基づく周到な解説、分析が行われており、紐解かれていく様は読みごたえがある。
「クトゥルフ者」であるなら必ず押さえておく一品。
また民俗学に興味をお持ちであるなら芳醇な紐解きを堪能できると思う。
硬い感想になりましたが、
クトゥルフ者の読み手としてはとても面白かったです。