26話
一体誰が刺されたのか、その瞬間をレイラははっきりと見ていた。
膝が恐怖でガクガクと大きく震える。思うように足に力が入らず、思わず座り込みそうになるほどに。何が起きたのか分からなくて、ただただ混乱だけが頭を埋め尽くした。
そのくらい今起こった出来事がとても衝撃的で―――あまりにも残酷過ぎた。
気付くと目を見開き、意図せずに言葉を吐き出していた。
「おじ、さん…………?」
と。
そう。
男たちの凶刃によって急所を刺されて倒れたのは、これまでに何度も会っているレイラの家の隣の家族の男性だった。
―――つまり。
「っ
幼馴染みである、ディックの父親だったのだ。
ディックの大きな叫び声が村じゅうに響いた。
幼馴染の父親の胸の刺し傷からは赤黒い
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます