王国戦記~不死鳥の乙女は蒼空を舞う~ 終焉の始まり編

薄紅 サクラ

First story.

1話 とある物語の一部

 その者 赤き翼を広げかの黒竜の前に立つ


 その手に輝くは 金色こんじきの王杖


 その身に纏うは炎にも似た 鮮やかなる紅き衣


 その背に背負うは 炎を纏いし翼と秘めたる想い


 側に控えるは 万物を操る精霊の王たち



      ―――――――――――



 その瞳に決意を宿した乙女は 己を鼓舞するかのように言葉を紡いだ


『さぁ この戦いを終わらせましょう』


『二度とこの悲しき運命さだめを繰り返さぬよう 全てに決着をっ!!』




 曇り無き蒼空そらに境界がかかる時 二つの光は衝突する


 これまでの因縁全てを終わらせる ただそのためだけに




       ―――――――――




 戦いが始まる 全てを掛けた壮絶なる戦いが


 行方を見定めるは 創世神と〝十柱の神〟たち


 勝者は一人 敗者は死


 どちらかが勝利をつかみ 片方が道を断たれる




 さて


 手にするのは黒き闇か


 あるいは紅き光か





 答えは真上に広がる蒼空そらのみぞ知る









 ―――――――――――――――――――

 ―――――――――――

 ―――――


 ~~『グラスウォール建国物語 最終章』より~~

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