第2話 シゴトを辞めてみた。

 好きだった仕事を辞めてみた。余計苦しくなったような気がした。仕事は楽しかった。やりがいがあった。好きだった。今でもはっきり言える。だから苦しいのか。当時は気づけなかった。でも戻れない。戻りたいと完全には思えない。また負の連鎖が繰り返しやってくるのはわかっていたからだ。

 仕事はきつかった、辛かった、先輩、上司、お客様、電話での相手、電話の音、。些細な音、紙が擦れる音、窓からの風、足音、すべて気になった。気を張り続けていた。気持ちが悪かった。よく熱を出していた。もともと熱はでやすかった。咳も毎日でた。先輩と上司の顔色を伺いながら仕事するのが大変だった。でも続けたかった。

 こんな状態で仕事をしてもいいのか?お客様にも働かせてもらってる上司にも、先輩にも申し訳なかった。そして苦手なこともある。苦手なことは勤めてすぐ気づいた。私がしている仕事からしたら致命傷だ。とてもこれから長く勤める自信がなくなった。それを打ち消すようにできることは進んで取り組んだ。質問もして間違いがないように気を付けていた。でも一緒に働かせてもらっている上司、先輩には責められているように感じた。私はなにもできない。できることを進んでやる、できることだと思っているのは自分だけ、役に立ちたい、頑張りたい、もっとできるはずだ、好きな仕事だ、そんなことを毎日繰り返し呟き、頭の中でも話していた。

 自分とジブンに毎日。気づいたときにすぐ。ジブンが話しかけてくるからだ。気づいたら辞めたいと言っていた。手帳に書き出してた辞めたい、頭の中で呟かれていた辞めたい。上司に泣きながら「辞めたい」と。

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