登場人物紹介

 *ムテ人


 人間の言う『魔族』であり、長命種族である。

 銀髪・銀目を持ち、常にかすかな銀色の結界に包まれていることから『銀のムテ人』と呼ばれている。



【エリザ】


 蜜の村出身の巫女姫。

 霊山を降りて、子供のジュエルとともに故郷に帰り、癒しの巫女として働くつもりなのだが……。

 一途で何事も一生懸命なのはいいが、妄想癖があり、時々、とんでもない事件を起こす。



【サリサ】


 ムテの最高神官。霊山で祈りを捧げる毎日。

「好きだから」で選んでしまったエリザに山下りされて、目下、落ち込んでいる。

 見た目は完璧も、実は小心者で臆病。ちょっぴりしたたか。ついでに甘党。



【リュシュ】


 元菓子職人という異例の仕え人。

 食事係、巫女姫ミキアの仕え人、最高神官の仕え人、巫女姫エリザの仕え人をへて、また食事係に戻っている。

 純粋にサリサとエリザを応援している。

 厳格な最高神官マサ・メルが、なぜ、彼女を霊山にあげたのか……は謎。



【最高神官の仕え人】


 現在はサリサについているが、元薬草の仕え人であり、エリザとの付き合いは長い。

 サリサとエリザの関係は微笑ましく思っているが、最高神官のことを第一に考える典型的な仕え人の一人。

 後に捨ててしまった名前がリールベールと判明する。

 


【シェール】


エリザの次に選ばれた巫女姫。

大胆不敵でサバサバした性格。巫女姫を降りた後、蜜の村の癒しの巫女として活躍中。



【エオル】


エリザのよくできた兄。

霊山からの使者を装って蜜の村にきたサリサを最高神官と見抜き、エリザに手紙を書いて、巫女姫としての使命を全うするようアドバイスした。



【マリ】


エリザが巫女姫時代に助けた少女。

巡り巡って、エリザが絶望から死を選ぼうとした時に救った。

リューマ族の中で育っているせいか、ムテにしては言葉が悪く、サリサも頭を痛めている。



【リリィ】


マリの母親。リューマ族のカシュと再婚。

ムテの女性とは思えぬたくましい生き方を始めた。



*エーデム族


男性は耳の横に湾曲した銀の角を持つが、今となってはその特徴は稀である。

有角の者は強力な結界で身を守ることができる。

精神的な結界しか持たないムテ人のサリサは、エーデム族を羨ましく思っているようだ。


*ウーレン族


本来は、赤い髪・赤い目・とんがった耳の先に飾り毛の容姿であるが、その特徴は失われ、稀になった。黒髪の者が多い。

身のこなしが素早く、戦闘能力に長けた種族で、かつて、人間の島まで征服して支配した。



【モアラ】


ウーレン宰相にして軍師。通称・デューン。

ウーレン皇子を霊山に託した。



【ジュエル】


ウーレン第一皇子として生まれるが、魔を持たぬ人間であったため、命を狙われる。

エリザが流産してしまった我が子と勘違いして育てている。



【アルヴィラント】


ウーレン王。ジュエルの父。

人間の子供を狩り、残虐冷酷で「赤い悪魔」と揶揄される。

どうやら、サリサとは古くからの友人らしい。

サリサは、彼をとても好いているようだ。



*リューマ族


人間と交わった混血魔族。

魔の特徴をほぼ失い、純血種から差別的に扱われている。

ムテには許可証がなければ住むことも立ち入ることもできない。



【カシュ】


ムテで乗合馬車を商売として財を築いたリューマ族の男。リリィの夫。

親方として、リューマ族の尊敬を集めている。

素手で土竜を退治したことが自慢。


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