怖いお話なら読むまいと思ってましたが、我慢できずに読んでしまいました。見えない何かに恐怖を抱く。でも判明した後もまた――。大雨の日に読んでしまった自分は、この後出掛けたくないと後悔中。それでも、みぞれでなくて良かった。まだ雨で。……大丈夫ですよね?
日本特有の、湿気を含んだ空気を濃密に感じる作品です。まるで水墨画の朦朧体のように、白と黒が交差し、ものの形を浮かび上がらせています。そしてそれがなお一層、白は光に、黒は闇へと変えていくのでしょう。
霙の降る日に、背後から付いて回る足音。そんな怪異に悩まされ続けていた男は、風変わりな占い師に相談するのだけれども……?妖怪「べとべとさん」は私も知っていましたが、男に付き纏っているのは「お先にどうぞ」という決め台詞では消え去らないもののよう。北陸ならではの重みのある雪の表現が、物語に陰鬱な雰囲気を添えます。ゾクリと背筋を走ったら、そのままじわりじわりと降り積もり続けるかのような深く重い恐怖に囚われてしまいました!ちょっと一癖ある占い師さん……彼女、いや彼の活躍がもっと見たいです!!
ある時怪異に憑かれてしまった男は焦り、やつれ。事態の解決のため、とある占い師を訪ねることになる。一癖も二癖もありそうな占い師が示した解決法。それが招いた結末と、怪異の正体とは――。本格伝奇に詳しい占術に支えられた雰囲気漂う短編。読みやすく、小気味良い解説が楽しくも興味深い一本です!
霙を踏みしめる足音は冥土からの誘いか。絶世の佳人が誘うは救いに道か滅びの奈落か。先が気になって仕方ないじゃないかこのクマー!
霙の日に男を追う不気味な足音の真実を美貌の占い師が告げる。
神々しい程に美しい占い師が告げる方法。怪異から逃れたい男は、その助言を聞く。怪異の正体とは……