第38話◆番外編(前書き)

本編の主人公?は一応あかりなんだと思います。

なので、話の中に入れてしまうと少しブレた内容になってしまいそうなのでだいぶ省略しましたがもう少し足していきたいと思います。

そこで、この物語で1番きつい思いをしていたのは恐らくだったのではないか、と私は改めて思ったのでゆかりについてもう少し掘り下げようと思います。



自分の肉体や存在はこの世から消えてしまっているのに、意識だけが残っている。でもそれは幽霊のようにふわふわ浮いている訳でも、枕元に立っている訳でもない。

怖れられるでもなければ、拝まれるでもない、誰にも気付かれずに動けない娘の肉体の中でふたりきりの空間に閉じ込められているのだ。


ただでさえ大変な育児。

特に幼い子どもをあやすのはひと苦労なんてものじゃない。


専業主婦のお母さんが、特に感じるであろうそれを遥かに上回るであろうその状況の中で彼女がどのように過ごしていたのか。


その上、他人に娘(の身体だが自分も感じることの出来る身体)を世話される屈辱や惨めさ悔しさ、もどかしさ。


自分のみならず、結局は娘の身体なので大事に扱って欲しいのは当然だ。



それは親子の身体が別々であろうと、親は子どもにどうしても自分を重ねてしまいがちなので尚更だろう。



母親にとって、娘は分身同様なのだ。



だから、息子よりもあれこれ注意も文句も言いたくなるし、自分に成し得なかったあれこれも託したくなるのだ。



だが、この場合母娘おやこが文字通りの一心同体なので、自分=娘であり、他人に対する不快さも申し訳なさも羞恥心しゅうちしんからも逃れられない。



それでいて娘の苦痛を受け止めつつ、励まし慰めて安心させる。



よほど強靭かつ悟りを開いた仙人のような精神力とヘレンケラーにも負けない母性と愛に溢れ、ジャンヌダルク程の純真さと誠実さがなければ、はあのように育たなかったであろう。



だが、そのような人がこの世にいるとは到底思えない。



ということは、ゆかりの心情を描く上では重苦しい内容しか想像が出来ないですが、子育て育児、母としての気持ちなんかも書けたらいいのかな、と。



とはいえ、出来るだけ救いのある感じになるように…努めます。

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「私、未来から来ました」って人が目の前に現れたけどテレビの企画じゃないらしい。 三倉えりか @shousetsuka

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