第4話 二手の策略
〈囲む弓門番(アローズゲート)〉は80P必要とする攻撃型のアクティブスキル(AK)。使用者を中心に四方一体ずつ精霊たちが矢を構え、対象者を見つけ次第、射貫いて攻撃する。矢の数は無限で、対象者が視界から消えるか、離脱するまでは継続して攻撃し続ける。
別名、逃げられない精霊たちの宴。
この攻撃によって餌食となった者は多い。
防御型でないため、使用者さえ、倒せばいいのだが、近づくのは困難とし、また、放射線の攻撃や遠距離からの攻撃を精霊たちによって無効化されてしまう。
つまり、接近によって使用者を倒すしか方法がないのだ。
弓使いはこれを自らの切り札として、チーム戦では使用せず、単独でのバトルのみ使用していたこともあって、情報は少ない。
「なんだよ、あんなのアリかよ!」
アシタカがよけながら矢の攻撃を弾くが、おびただしい矢の流星群がアシタカを襲い掛かる。一手ずつ削られ、いつ足や腕を狙われ、倒れるのも時間の問題。
落ちていたナイフを回収し、ノエルにせめて逃げ出す時間を与えていた。
ローブの男が倒されたとき、ノエルに〈影移動〉によって影の中へと誘う。影のなかはトンネルのようになっており、アシタカが認識している範囲まで影の出口として展開することができる。
たとえ、アシタカがやられても〈影移動〉の効果は継続され、一定時間後にどこかの影の外に放り出される。
攻め手の罪ぼろし、アシタカはそう踏まえて、ノエルを〈影移動〉で逃がした。
残りは、アシタカ自身で奴を超える。
越えなければ、所持しているPが一部だけだが奪われてしまう。
「ワルイ、もう奥の手はない」
ナイフを持ち構え、奴にできるだけ近づき倒すことに専念する。
竹を利用して大きく飛び跳ね、敵の攻撃をなるべく致命傷を避け、攻撃を繰り出す。
「やはりか! 一定距離でしか攻撃してこないな」
精霊たちは四方にそれぞれ一体ずつ配置されている。四方の斜めにいれば、二体の精霊たちに射抜かれるが、一方通行であれば一体にしか襲われない。しかも次の矢を補充するまで1秒ほど時間がある。
近づけば近づくほど敵の脅威と力強さは増していく。
精霊が発動している間は、奴は矢を構え、打ってくる。もう後はない。一騎打ちだ。どちらかやられるまでこのバトルは終了しない。
あと一歩のところで、誰かがアシタカの名を叫んだ。
「アシタカあああ!!!!」
不意に弓使いの男の影から姿を現したのはノエルだった。逃がしたと思っていたアシタカは不意に飛び出てきたノエルに思わず見とれ、精霊の矢の攻撃を外してしまった。
運悪く左肩を撃たれ、左腕とともにナイフと一緒に宙を切って飛ばされてしまう。残されたナイフで止めをさそうともあと1メートルは届かない。
「ノエルううう!!!」
アシタカは大声を上げる。
最後の希望。ノエルはAKを使い、弓使いの男を背後から切り刻んだ。
持っていた武器はナイフ。ボロボロで切れなさそうなエッジが付いているにも関わらず、そのときノエルが放ったAKによってナイフの形状が美しく磨かれたころのように光り輝いているように見えた。
〈渦巻く斬撃(メイルストローム)〉
渦を描くかのようにして攻撃を加える技。自身を軸にして回転攻撃を繰り出す。
男と精霊が矢を放つも、空を切り裂き、矢は木端微塵になる。
目をはっきりと開け、驚愕するもその瞬間を逃さず、精霊たちはノエルのAKによって無残にも塵になる。
男もまた辛うじて宙へ飛び跳ね交わすが、そこにノエルの背中を利用して飛んだアシタカによって首を切断された。
切断された部分は電脳体であり、本体は無事である。被り物が飛ぶ、帽子が飛ぶといった具合である。データ上、目に見えているのはデータであり、首はちゃんとくっついている。たとえ、高い場所にいてもエアルという謎のエネルギーによって体に異常はなく怪我無く着地させてくれる。
男が敗れたことにより、バトルは終了。
倒れた男の前に『P=15』と表記され、勝ったアシタカに『P=8』と表記され、ノエルに『P=7』と表記された。
これは即ち、勝利した相手にポイントが分配されたということだ。
チームのクランクによって敗れた際の減るポイント量は決まっている。
敗北した男のチームクランクはDで、チームの総合Pは150ほど。そのうち十分の一が勝利者へと配布されたというわけだ。
敗北者の所持Pよりも多くは得ることができない。
チーム全員参加していなくても、誰かが勝負し、負ければチーム全体の敗北としてポイントが減る。これが公式のルールである。
だから、アシタカは負けるのを嫌だった。
それに、新しくAKを習得すると、チーム総合は減らないが、習得したプレイヤーのPが減る。
Pが減るほど負けても減りが少なくなる風にも見えるが、Pの残高が10未満になるとアカウントが取り消しとなり、再度味方の援護かポイントを支援してもらえなければ復帰できなくなるデスペナルティがある。
敗北した男は今まさに、14Pとなってしまった。もう一度勝負をして、負けてしまうと男の復帰は難しくなってしまうだろう。
襲われなくなるが。
「クソー! 負けた。完全にノエルのことを頭になかった。あんなボロい武器なら攻撃を受けてもダメージはそこそこ。深く考えていなかったー…」
おそらく初心者狩をしていた連中だろう。
アシタカが持っていた手配書に彼の顔と名前が書かれていた。
「とりあえず、これで終了な」
帰る際に、アシタカは男に伝える。
「またよろしくねタクシーの運転手さん」
男が青ざめていくのが分かった。
おそらくアシタカと何度かあったことがある人なのだろう。〈ARM〉中は本人の素顔を見ることができない。
〈ARM〉を解除するには相手と一定の距離まではなれないといけない。
相手が敗北しているのであれば、〈ARM〉が解除されるまでは、相手は身動きがとれず、次の対戦相手と戦うこともできなくなる。
これで一旦、解放されるということだ。
竹藪を出たころ、〈ARM〉は解除され、本来の素顔を見ることができた。
清々しく初々しいアシタカは素顔に戻っても性格は同じだった。冷静な判断と同じ〈ARM〉のメンバーと普通に話し、ときには脅している姿がちらほらと見かける。
商店街を離れるころ、アシタカはとある場所にいた。点滅する信号を避け右に進み、丁字路からさらに左に進んだ先に橋があった。
その橋の上で待っていた。
「この先で待っているぞ!」
デバイスを起動し、橋の先へ入っていった。
ノエルもデバイスを起動し、目の前の風景が切り替わっていった。町並みのコンクリートの壁、木造建築、点滅する信号機、横断歩行にわたっている老人夫婦。それらの人物・風景がデータによって作り替えられ、あったのは白い建物が密集するジャングルのような光景が広がっていた。
「これも〈ARM〉の世界なのか!?」
ノエルが圧巻している間、遠くで金属が叩きあう音が響いてくる。
アシタカが先に行っていると言っていたのは、仲間がまだバトル中であるということを言っていたのだ。
アシタカを追って、ノエルは自信のアバターでその先で何が起きているのか直接目に記憶するため駆け出す。
白いジャングルは、作り物のような民家が立ち並んでいた。道は狭く大人ひとりがやっと通れるほどの広さ。建物の窓や扉は作り物で触れることはおろか物を使って壊そうとしてもすり抜けてしまう。
見た目だけの存在として復元し、再生された建物。
戦うための舞台として作られた世界。初めて、ノエルはこの世界がどういう世界なのか知ったような気がした。
激しく鳴る音はだんだん近づいてくる。
音は風に乗り、建物を通過させ、雷のように周囲へ促す。
激しい金属音が鳴るたびに風が揺れる。水面が揺れるように風がビリビリと肌を痺れさせる。
「アシタカ! そっち任せた!」
「分かった。だが、無茶はするなよ!」
不意に飛び出す。建物の上から上へと移動する二人の男。後を追う男はアシタカだった。追われている男はアシタカよりも背が高く大人びいていた。
「あんたが、相手か…なるほど、不足はしないな」
「上等だよ。俺もイライラさせる相手じゃなくて助かるよ」
屋根に足をつけ、互いににらみ合う。
武器は同じ双剣を握る。相手の力量はお互い知っているかのようで一歩踏み出しては相打ちの連続を繰り広げる。
「ッチ! 力量は同じ…か。アイツが任せるといった理由も理解した」
「おしゃべりは腕の力を落とすぜ!」
アシタカの斬撃が敵の足元から突き上げる。男は見抜いていたかのように剣で弾ぎ返す。
「簡単に終わらせると思っていたんだが…これはハズレだな」
「あんたがハズレと言っても、俺にとってはアタリともとれるんだけどね」
「それはお前さんの感想だろ? まあ、いいさ。久しぶりの同クラスだ。お互い、悔いない戦いで終えよう」
「俺も同じ気持ちだ。あのバカに任せたのが大いに間違いだったからな」
あのバカ。アシタカの仲間のことだろう。
バカと伏せている以上、なにかしらの問題児なのだろう。
ノエルは二人の闘いを見つめながら、どういう立ち回りで戦い、相手の動きを判断し、スキルのタイミングを狙っているのか目で追いながら記憶する。
他者のバトルに参戦するのは滅多にない。
ましてや相手に気づかず見るだけのは相当大変で危険な行為である。
もし、見つかって侵入者として相手が認識してしまえば、チームに心配かけてしまううえ、領域に奪われるか、戦争沙汰になりかねないからだ。
バトル中は映像をとることはできない。
〈ARM〉専用のアイテムがない限りは現実世界から持ち出したカメラやスマフォは機能しないからだ。
ノエルは自信の眼で記憶する能力。誰にでも持つこの能力を人一倍大きいのだとここに来る前に話しさせられた。
目に映る光景を記憶でき、なおかつ少しでも変わってもその変化を理解できることができる。その能力は〈視覚強化〉と言われ、五感のうち〈視覚〉に向けられた能力でもあった。
(アシタカは待っていると言っていた…つまり、このバトルを見てこいと言っていたんじゃないかな? もし、そうだったら、この先〈ARM〉のことをもっと詳しく知りたいのなら、聞くより見る。そう言っていたのかもしれない)
ノエルは家の隙間に隠れ覗き込む。
相手に見つからないように配慮して。
アシタカもノエルが覗いているのは把握していた。
隙間からにらみつける目玉。ノエルだ。アシタカはノエルという初心者が近くにいることを悟らすことがないように隙を与えずノエルの方へ視線を向けないように配慮した攻撃を繰り出す。
「ッチ、隙がねぇ。こいつ化け物か? いや、おそらく〈能力(スキル)〉を使っている可能性がある」
男は双剣から長剣に切り替え、構え方を変える。
右わきを大きく広げ、そこに攻撃を向けるよう構える。わざと開けている。誘っているのだ。この場所に攻撃されたとき、一矢を報いる攻撃を繰り出せるからだ。
「どう見ても誘っているね。いいよ誘われてやる」
アシタカが飛び込む。
空いた右わきに飛び込み剣を振り上げる。
その瞬間、一瞬だった。目蓋を閉じたこともなく風に揺られ毛が過ぎ去っていったかのようなわずかな時間。
アシタカの腕が飛んだ。鈍い痛みがはしる。けど、データ上の痛み。決して本物が飛んだわけじゃない。けど、切り取られた腕が宙を飛ぶ光景は嫌なものだ。
〈透明の剣(ステルスソード)〉
攻撃する瞬間に数秒間だけ武器を透視させ、視認できなくなるAK。
アシタカが飛び込んだ瞬間、左手に持ち構えた剣をAKで消し、すばやく左手に隠していたアイテム札を使って偽造の剣を右手に握らせた。およそ1秒という短い時間の間に行われた。
〈透明の剣(ステルスソード)〉は左右の手に発動していた。アイテムと武器。両方ともアシタカに向けたものだったために発動したのだ。
本来なら、攻撃した瞬間のみ発動するこのAKは、たとえ振る動作だとしてもシステムが認知すれば対象者が違ってもAKが発動する。
男はそれを理解していた。
アイテムによって本物の剣が右手にあると認知していたアシタカはその対応に遅れた。右手から左手へと剣が渡る瞬間に気づかなかった。
左手に隠された剣によってアシタカの腕は吹き飛ばされ、同時に右手に握っていた剣は宙を切る。
本物じゃないから、攻撃することはできない。
形だけがアシタカの勝敗を分けた。
アシタカは失った左腕を見つめながら、自分の状況を判断する。
丸く切り落としたかのような丸太を見つめているかのような。キレイさっぱりに切り落とした切り株を見つめているようなそんな状況だった。
「おかしいな、右手に武器があったように見えたんだが…」
「っふ。見えたんじゃない。騙されたんだ」
男はさらなる隠しワザを持っていると披露する。
AKはもう使えない。けど、今みたいにだまし討ちは区別ができない。そう発見したのだ。
次の一手でアシタカを完全に行動を阻止できるそう思っている矢先、背後に突然現れた別の男にアシタカと同じ左腕を切り落とされた。
音もなく足元に落下する。
痛みではなく音で気づく。足元に目を向けると自身の左腕が落ちているのではないか。
男は悲痛を上げた。
痛みはないのに。男は何が起きたのか理解できなかった。
アシタカは〈第三者の影法師(ドッペルゲンガー)〉を発動していた。
前回使用した〈第三者の手〉をポイント消費してさらに強化していた。
〈第三者の手〉と異なり、相手の視覚から確実に攻撃することができる。ポイントというよりもアシタカの能力(固有スキル)によって誕生・進化した。
男はアシタカの攻撃が理解できない。
今しがた何が起きた? 背後には誰もいなかったはず。 後ろから攻撃を受けることを前提に後方には開けた場所を選び、仲間からの援護ができるような位置にいた。
下からの攻撃がこないように注意を払っていた。だが、攻撃を受けた。
(つまり、敵のAKを受けたということか!? 俺が認識している範囲では〈反撃〉または〈返り討ち〉、〈同時ダメージ〉のいずれかだ。奴のAKを甘く見ていた)
男は違う認識をしていた。
どのAKもアシタカに近づくAKではない。
アシタカはチームランクBに所属し、二つ名を持つチームとして名が知れている。奴(アシタカ)の使用するAKは事前に二つ存在していたことは明確していた。
〈第三者の手〉と〈影移動〉。
〈影移動〉は影に侵入し、どの影の中からでも出入りが可能で移動することができるAK。遠くへ移動することも隙をつくこともできる。
だから、影が存在しない白い建物を建造させ、影という隙間を建物の隙間だけに作った。屋根の上では影というものは人物だけしかない。
しかも、太陽は俺の背後から照らしている。
後ろから攻撃される可能性はないのだ。
〈第三者の手〉は、奴が投影し、知っている人物を影という形だけの存在を生み出すAK。足場が不自由な場所では使用できないという厳しい条件を持ち合わせ、影も一定の範囲と攻撃ができないが、一度でも相手の隙を作ることにうってつけの技。
だが、今の攻撃ではどれも条件に満たさない。
つまり、このわずかな数日で新たなAKを習得したというわけだ。奴のPは50弱と話しは聞いている。
だが、影系の手段のAKは60以上が多い。
ありえない。ここ数日で格段と成長している。
「どこから現れた?」
「今の奴か?」
相手に探り入れ、情報を得る。
しゃべらなくても俺のスキル〈事実視認〉で相手の心を読むことができる。一日に三秒という短い時間だが、こいつのAKさえ、わかれば後でいくらでも対応が聞く。
「俺の相棒だよ」
その言葉は事実。だが、心の声では〈第三者の手〉の強化したAKだと判明した。
「なるほどな。全然見えなかったぜ。奴の攻撃は早すぎたな――」
AKが強化する? そんな裏技が存在していたのは初めて知った。さすが、チームBとして君臨し、なおかつ〈ARM〉の初代優勝候補だった男だ。
剣を右手に持ち替え、右手だけの攻撃に踏み入る。
アシタカも同じ。右手同士の戦い。どちらも引くことはできない。
同じ状況で互いに認めた相手でもある男はそう確信し、残りのAKは次にとっておき、アシタカを少しでも長く楽しむようにして戦う決心をした。
だが、予想もしない攻撃がこの戦いを終止した。
遠くから放たれた無数の矢が男の背後から直撃したのだ。
右手同士で押さえあう戦いの真っ最中、アシタカはそれを気づき、男を横にずらそうとするが、男は矢の存在が気づかず、屋根の下へ引きずり降ろそうとするのだと思い、態勢を整えようと一歩後退したところ、矢が当たってしまったのだ。
男は声が出る間もなく、首が飛び、意識が途絶えた。
真剣勝負。その気持ちが両者を包んでいる真っ最中に歯止めをしたのは、シウォンのAKだった。
向こうの勝負が終わったのだろう。
アシタカは「シウォン!」と声をかけたのだ。
屋根を伝って走ってくる一組の男女。
「ラスタ!」
黒髪ショートヘアの女の子、シウォン。
こげ茶色の髪をした少年、ラスタ。
二人はアシタカの方まで近づき、互いの勝利を祝った。
アシタカは不満そうだったが、シウォンが放った百発百中のヒットによって仕留めたことに「上等だ」と褒め、途中で交代させたラスタには怒りのゲンコツを落下させた。
「痛ってえぇー!」
ラスタの悲痛の声が上がった。
アシタカたちは笑っている。
ノエルはただ、そっと近くでのぞくだけで三人に近づこうとはしなかった。その様子に察したアシタカはノエルがいる場所に〈影移動〉で移動し、ノエルの背後からそっと腕を伸ばし、嫌がるノエルを無視して二人の前に突き出した。
見知らぬ二人を前に緊張し、石のように固まってしまうノエルに二人は声をかけた。
「アシタカから聞いたよ、助けてくれたんだよね。仲間の危機を助けてくれて、ありがとう」
「なるほどねー。アシタカが気に入るのはわかった。この匂い、獣の匂いだ!」
もう一度ゲンコツがラスタの頭部にめがげて落下する。
「痛ってえぇーなあ!!」
涙目で訴えた。
現実ではないとはいえ、痛みはあるようだ。
腕を吹き飛ばされているアシタカとは違い、何度もたたきつけられるのは苦痛のようだ。
「もしよければの話だが、俺達とチーム、組まないか?」
「え?」
突然の誘いだ。
もう少し考えさせて、そういうつもりだった。
けれど、〈ARM〉の世界に出会ったのもアシタカの協力があってこそ、こうして仲に会えた。もし、断ったり時間を置いたら、別の人たちに無理やり会員になるかもしれない。
この島に来る前の苦い学生時代が映写機によって流される。
学生時代に誘われた部活を考え、断った結果、悪事を働く虐めグループ信勝に無理やり入られ、嫌な噂が付きまとうさなか、友達だった仲間が縁を切り、ひとり寂しく、怖い彼らの言いなりになって生きていた自分自身を見ていた。
ここで断ったら、また嫌なことになるかもしれない。
ノエルはアシタカの誘いに乗り、了承した。
「俺の名はラスタっていうんだ!」
「ぼくの名前はシウォン。よろしくね!」
「改めて名乗る。俺はアシタカ。このチームのリーダだ。今後ともよろしく」
アシタカの手を強く握手し、シウォンとラスタの手がまじりあう握手した手の上に置き、覆うように軽く手を置いていた。
** 第一章:ARM起動 終結**
** 第二章:リーバー・ジャック事件 突入**
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます