ポリゴナムの戯言




おいしいものが、みんなお好きでしょう。

旨味の多い

食べ応えのある

甘くとろける

薫り高い

ああ、きっと、ほら頬が落ちてしまいますね。


ああ、それはそれは、おいしいのでございましょう。

おいしいものは、腹だけではなく心も満たしますから。

それは非常に強い欲となりますね。

きっかけはきっと、そうですねきっと、些細なことでしょう。


敬遠されるのはおいしくないもの。

深く苦い

理解しがたい複雑さ

どろりとまとわりつく

鉄が朽ち行く刺激

ああ、ほら、おいしくなさそうでしょう。


口に入れるまでもない、見ただけで胸が詰まってしまいます。

おいしくないものは、心すら冷やしてしまいます。

それはきっと強い毒となりますね。

きっかけはきっと、間違いなくきっと、暗がりからこんにちは。


ああ、私はまずいものしか作れないのです。

深くて苦い、理解しがたい感情や思考、どろりと纏わりつくような重たいコールタールのような、古い鉄の朽ち行く刺激をもつような。そんなものしか作れないのです。




しかしご存知ですか、水や酸素、何気ないものでも毒に成り得ることを。

毒も使い方によっては薬に成り得ること。



ああこれは、私の世迷いごと、戯言にございます。

さて、次の扉が開きました。私の相手はここまででございます。

どうもありがとうございました。



さあ、あなたはどちらに行かれますか?


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