仮面
着いてこないで、私を見ないで。
君が望む自分でいるのは大変なんだよ。みんなが望む私を作るのは、きついんだ。
私は私のままでいたい。
私は私のままで生きたい。
私は私のままで生きて、死にたいの。
自分で在るうちに、だから早くしないと、早く。
みんなが望むのは私の明るい部分。
私が作った仮面の方。
演じるには労力が要る。
私が私を縛る。
それを自分で理解している。けれども、その鎖を緩めることはできない。その悪循環自体も私なのだから。
私が崩れる。私が私を壊してしまう。
だから早く手に入れないと、早く手に入れないと。
一体何を手にすればいいのか、全くわからないけれど。
だったら、早く私を閉じ込めないと。
もっと暗い場所へ。
もっと痛くて辛い、あの場所へもう一度潜って、同じくらい傷まないと。
でないと、辺りは真っ白で思い出すことも、困難になっていく。
だから、もっともっと。暗く深い場所へ。
私の中にある意地とプライド、脆弱性、堅牢性。
生真面目で融通の利かない優等生面。砂の城のような曖昧。
全てが私、全部私のもの。誰にも渡さない。誰にも見せたくない。だから隠れながら生きている。隠れながら残している。
おこられるから、かくれてかくの。
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