第一章 1-3
足音を立てる事なく、曲がり角の壁側にデカい図体を潜ませ敵兵士との距離感立ち位置を足跡に耳を潜ませ確認しつつ、タイミングを測ると、
敵兵があと一歩で、角を曲がる一歩前に隊長は角を曲がり立ちはだかると、
パンッ!!
大きく木霊する柏手にて猫騙しを鳴らすと、横に3人並んで歩いてる敵兵の中央の兵士に思いっきり頭突きをすると、痛みを覚える暇なく、仰反るように倒れていく1人の敵兵はもはや意識もないようだ。
倒れた敵兵にめもくれず、両端の2人の兵士の顔を大きな手のひらで顔を掴むと2人は宙吊りにする。
手をどかそうと、ジタバタと動く敵兵を他所に3秒後には隊長はそれらを掴んだまま、勢いよく床にしゃがむ。
「「グェッ」」
カエルの潰れたような声が重なると、後頭部を打ちつけた2人は、即、失神したようだった。
「俺の分を残しといて下さいよ!」
一部始終を傍観していた副隊長は、手持ち無沙汰に、
足元に転がる屍をツンツンと、蹴り付けながら隊長に不満を申し出る。
らせんの双子【遥か宇宙へと シリーズ】 玉龍堂 @Nonori
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