第一章 1-1
第1章
あと、何人、人を殺せば......、
何度、戦場へ行けば、
何回、死ねば、
俺達は、自由になれるのか?
誰が言い始めた言葉か知らないが、太陽系同盟の兵士の間で語り継がれている。
※ この物語は、
西暦4287
火星圏合衆国の補給艦の艦内。
太陽系同盟の輸送機が火星圏合衆国の艦隊付近に兵士を放たれ、自力で宇宙遊泳の後に敵艦への潜入し、白兵戦を行うというのが、この部隊の日常であった。
無事、敵艦に侵入を果たした、この部隊の隊長と副隊長は、敵艦内の廊下をテレっと歩いていたところ、
「なぁ、おチビっ、今回は何人くらい潜入出来てる?」
2メートル近い、漆黒の前髪を無造作にかきあげ、深紅の瞳を横に並んで歩くおチビに視線を投げながら声をかける。
「……、今日が初任務の編成部隊なのもありますが、無事に潜入出来たのは隊長と俺の2人だけになります」
ため息混じりに、琥珀の瞳は、深紅の瞳と交差させると、ため息混じりに返事を返す。
木星圏、白兵部隊の第五部隊を率いる部隊長は、2メートル近い巨大でありながら、漆黒の髪に、深紅の瞳をした狼のキメラで野生味のある色気ダダ漏れの男前である。
白兵部隊、第五部隊の副隊長は、琥珀の瞳に、オレンジがかった金髪に、黒の斑尾模様の頭髪を一つにクビっている。
ヒョウのキメラである、副隊長は何処か猫っぽく表情がくるくる変わりわかりやすい性格をしている。
ちなみに、
隊長がデカすぎて、副隊長の身長も178㎝はあるのだが隣にいつもいるせいでおチビとなってしまう。
副隊長も、おチビとあだ名されることに不服でも言いたいとこではあるが、
経験値上、隊長はクローン兵部隊の設立当時から存在する古株中の古株のため生まれまだ、16年程しか経験値を積んでない副隊長としては、おチビというあだ名を受け入れざる得なかった。
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