第21話

タイムラインの中

昔の絆の残骸が

ふわふわと流れていく


もはや忘れかけたそれらが

今になってやけに目につく


私をも絡めていた、その手綱は

気がつけば私を透過して

どこか遠くへ流れていく


わずかに漂う残り香を

唇を噛み締めて、ただただ眺める




私は独りになっていく


立ち止まれないこの星の上で

自ら手を伸ばさない者には

絆は見向きもしない


知っていたはずの彼らは

知らない人になっていく


今ここで私が消えたとしても

彼らはきっと気がつかない


手綱を手放した者の

その後は描かれない


彼らの日々に私はいないし

私の日々にいる彼らは

画面上を流れる見知らぬ人になった




私は独り、また彷徨って

別の絆を求めて当てもなく漂う


私は段々、だんだんと、

世界との絆を失っていく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る