第20話
世界の全てはどうしたって見れないんだ
どれだけ旅をしようと
どれだけ時間をかけようと
全てを見ることは叶わない
全てを知ることだって出来やしない
この世界は果てしなく広くて
私の世界はあまりにも狭い
この一瞬で
世界で起こっている全ては
私の人生の全てをかけてもまかなえない
この世界は途轍もなく広くて
私の世界はどうしたって狭い
この広い世界の
塵よりも小さな一粒である私の
狭い狭い世界の中でさえ
大勢が嘆いている
大勢が苦しんでいる
果ての見えない程広いこの世界では
一体どれだけの人が嘆き苦しんでいるのだろう
あまりにも広くて、数え切れやしないだろう
複数の個がまとまり
それがさらに個として集まり
漠然とした世界を築いている中で
私たちの会話のスコープはちゃんと合っているのだろうか
一体どうすれば
どうすれば私の世界の
どうすれば他の全ての世界の
嘆きや苦しみを消すことが出来るだろう
正しさは存在しないのか
それとも解らないだけなのか
この世界の秩序は
一体どこの誰の正しさをもって、保たれる?
もしくは正しさなどでは無い
悪も偽も全部とり込んで
混ぜ合わせた混沌こそが
秩序などと呼ばれているのだろうか
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