第22話



心が軋む音がする

鼓動がひずむ、その輪郭がみえる


愛しかない世界だったら

そんなことを考える


青臭い理想、愚かな若さ

そう言われることが判るくらいには

大人になった私がいる



星が泣いている

鳥が泳いでいる

風はどこかで眠ってて

魚は上空を翔る


視える世界は

不思議で溢れている


聞こえた軋みも、みえた歪みも

どこかの何かと混じり合って

知っていたはずの世界が変わっていく


朝の後に夜が来て

夕焼けには星が瞬いている

遠くの青空には稲光が走り

降りかかる雪は甘く暖かい



愛しかない世界には

私の知らない何かが流れてる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る