第9話

池の上に橋が架かり、突風が時折なげかかる。

おまえは何をしているんだ?

どこへ行こうとしてるんだ?

そう問いただされているような気持ちになってくる。


お手玉の快い重みに手をゆだね、上へ下へ腕を動かす。

だんだんと、ふたつ、みっつ動かすようになって、右回り左回りと時々換えて、上りそして落ちてくる一瞬の静止する到達点を見上げてる。


頭がなんとなくぼんやりとして、穏やかでいてくさくさしているようで何も手につかないとき、こうしてぼくは手玉を投げる。

おてだまの赤い軌跡に照らされて、だんだんと熱くなってくる体に、このまま僕は、いつまで続けてるんだと考える。


「チャーハンですよー」


彼女が僕を呼ぶ声がする。

助かった。

僕はそうして溜め息をつく。

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