第8話

休日の昼、僕はとりあえず玉ねぎを炒める。

フライパンにオリーブオイル、みじん切りの生姜に、スライスしたニンニクと大量の玉ねぎ。


そうしているうち、立ち昇る匂いに、おなかを空かした彼女が部屋から出てきて「焼きうどんが食べたい」

などと言い始める。

「え?でもオリーブオイルだよ?」

「うーん、じゃあ……フェトチーネ」

どうやらきょうは太い麺が食べたいらしい。

「フェトチーネ無いよ?」

「じゃあ買ってくる」


薄く紅をひいて眉を描いて、すぐ近くのスーパーに買いに出る。


すがすがしい外の空気が、ふぅわりと舞い込んで、僕は鍋にたっぷりのお湯を沸かす。


帰って来た彼女はパスタのほかに、白ワインとチーズアイスを買っていた。

きょうのメニューはあさりのパスタ。乾杯。

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