第112話そろそろ疑われる?


そして4人は街にやってきた。


「アイン君。ここの街について詳しいの?」


「うん。実は学校が始まるよりも前からこの街には来ているんだ。」


「そうだったんだ。でもなんで?」


「ここの街の人とも仲良くなっておきたかったし、この街にもなれておきたかったから先に来ていたんだ。」


「そうなのね。まぁそのおかげでアイン君とこうして街に来れているけどね。」


「それじゃあ行こうか。」


そしてアインは自分が暮らしていた宿の近くまでやってきた。


「お、アインじゃないか。何だお前、3人も女子を引き連れて学校で何があったんだよ。」


「あ、武器屋のおっちゃん。学校ではなにもないよ。」


「ならなんでアインは3人も女の子を引き連れてんだよ。アインはもてるな~。確か宿の子もお前に好意を寄せているんだろ。」


「アイン君?これはどういうことかな~。」


「武器屋のおっちゃん。何を言っているのかな!?」


「おっと、これはアインにはまずいことをしちまったかな。」


「アイン君。君ってこの街で何をやっていたの?」


「アイン、私たちというものがありながら。」


「これはお父様に報告かな。」


「大丈夫。そんな浮気なんてしていないから。」


「アイン君がそんなこと言ったって信用できないわ。これは今度本当に会わせてもらわなきゃね。」


「分かったよ。」


「それよりも街の探索を再開しましょ。」


「はい…」


そしてアイン以外の3人は先に行ってしまった。


「アイン。」


「何?」


「あの3人って良く見ればよいところのお嬢さんじゃないのか?」


「よく分かったね…」


「そんなに落ち込むなよ。それにそんなのは服装を見れば分かる。」


「確かにあの3人の服装は特別だからね。」


「で、あの3人は何なんだ?」


「1人は王女、2人は公爵令嬢だよ。」


「は?今回学校に入る貴族の中でもトップクラスにやばいやつらじゃないか。何でそんな3人と一緒にアインがいるんだよ。」


「まぁ、それはいろいろとあって。」


「いろいろって何だよ。」


「あ、3人がもう先に行っちゃってるから僕ももう行くね。」


「あ、おい。逃げんなよ~。」


そしてアインはその場を逃げるように3人を追いかけていった。


「あ、アイン君。話は終わった?」


「うん。もう少しで貴族だってばれるところだったけどね。」


「ここでも隠しているの?」


「だって明かしたら市民の態度が変わっちゃうじゃん。」


「そうなのね。アイン君くらいの爵位なら隠さなくてもいいと思うんだけど。」


「それでもできるだけ隠しておくよ。」


「まぁ本人がそれでいいならいいけどね。」


「ありがとう。それじゃあ他の場所も紹介していくね。」


そしてアインは宿以外の場所を紹介して、学校に帰ろうとした。


「あれ?アイン君が泊まっていた宿は?」


「それはまた今度でいいじゃないか。」


「ふ~ん。やっぱりやましいことがあるのね。」


「そ、そんなことはないよ。」


「まぁいいわ。今日紹介してもらったところの付近にある宿屋を調べていけばいいし。」


「3人で?」


「いざとなったら兵を動かしてでも。」


「それはやめておいてよ。」


そしてアインは学校に戻っていった。


武器屋の人が他の住民と協力してアインの正体を調べようとしていることも知らずに…


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